July 29, 2008

またまた今年も他力本願で行こう!

*「今年も他力の季節がやってまいりました!!
いよいよ面子発表となったので、こちらでも告知しまーす。

『本願寺LIVE 他力本願でいこう!2008』
【日時】8月23日(土)16:30-21:00
【場所】築地本願寺
【出演者】
二階堂和美
DE DE MOUSE
KAN
いとうせいこう&ポメラニアンズ
Hair Stylistics(=中原昌也)

サワサキヨシヒロ!(DJ)
COTOBUKI(VJ)

http://www.hongwanji-shutoken.net/live2008/

いとうせいこう&ポメラニアンズ≡さん、KANさん、Hair Stylisticsさんは
下見を兼ねて最近のライブにお邪魔させて頂いたのですが、僕の見た限り
"バラバラでいっしょ"という毎年のコンセプトを今年も体言できていると思います!
これに、今をときめく二階堂和美さん、DE DE MOUSEさんも加わり
かなり異色且つ濃い内容の夏フェスとして楽しみ頂けるかと思います。
勿論入場料は無料!(おそらく早朝の整理券配布となります)
8月23日は今から空けておくベシ!!!

誰そ彼のほうも準備中です。近いうちに告知開始できそうです。
こちらは9月27日にやりますので、同じく空けといてくださ~い。▼

投稿者 Takuya Endo : 12:01 AM | コメント (0)

July 01, 2008

久住昌之&BlueHip→いとうせいこう&ポメラニアンズ≡→サーファーズオブロマンチカ

*「6/22は近所の居酒屋、ジーンズキッチンにて久住昌之&Blue Hipがライブをするというので見に行きました。久住さんは昨年末の誰そ彼でお世話になって以来だったので再会も楽しみでした。実はこのジーンズキッチンで久住さんのバンドを見るのは二回目、繁盛店の旨い生ビールや枝豆と一緒にライブを楽しめる素敵な催しです。
アルバム『自由の筈』に収められたナンバー中心ですが、それ以外にも未収録の名曲「ゴム」や「ABCの歌」、新曲も数曲披露されました。中でも録音中のソロアルバムに入るという「I gotta money」は夕方にグッとくる良い曲で是非とも誰そ彼で聞きたいと思いました。
いつも盛り上る「落ち武者」は今回も客席含めての大合唱。"落ち武者っていいな~♪ 矢が刺さって痛そう~" と合唱している居酒屋はちょっと他にないです(お寺も然別)
居酒屋仕様のコンパクトな機材でも遜色なく盛り上がれるようになっている、楽曲と演奏陣の腕前が素晴らしいと思いました。その中心にある紅一点ゴッチさんの歌声と久住さんの笑顔によって更にビールがすすむ具合です。ホロ酔い加減で口ずさみつつ歩く気持ちの良い帰途となりました。

6/26は縁あっていとうせいこう&ポメラニアンズ≡を見にユニットへ。遅れて会場に入った頃にはライブも良い塩梅でいとうせいこうさんが青白い照明にゆらゆらと浮かんでいます。久々に胸にくるダヴィーな音の塊が空きっ腹にずしりと。
そして、最後に登場したゲストに「≡」の意味を知りました。いとうせいこう&ポメラニアンズ≡についての前情報が全然なかったもので、かせきさいだぁ≡が参加しているとは知りませんでした。ぐぐっとみんなのテンションもあがり、金曜日の気分がやってきます。
但し、ユニットの生ビールは3番目のやつだったので不完全燃焼。中目黒は藤八さんに移動して本物の大杯を空けました。

6/29はサーファーズオブロマンチカのライブでO-NESTへ。見るのは多分一年ぶりです。ラウンジで正真正銘の本物モルツを飲みつつ談笑していると、もう始まるとの事で階下へ急ぐ。ドアを開けると子供のナレーションに続いてなんとも素敵なレゲエがかかります。ステージ上では宮原さんのDJが始まっていました。既にサーファーズの空気が充満しまくっていて、思わず顔が綻んでしまいます。他のメンバーも登場し、DJそのままの雰囲気を維持したまま演奏が始まるのが凄い!宮原さんの帽子とパーカーが極彩色に見えてきた。
反復するフレーズは穏やかな波のようで、リズムは太陽の光みたいにポカポカとしています。宮原さんが以前mixiに掲載していたアラスカや富士山の写真がスライドのように目の奥に次々と浮かんできます。
ライブ後半、客席から突如ステージにあがる特別ゲスト出現!少なくともかせきさいだぁ≡ではない…(今日は日曜日)只管フロアを煽る謎のゲストに対し、あれは誰なんだ?という疑問がみんなの頭をよぎりつつも演奏はどんどん盛り上がっていき、最後に謎ゲストはコンクリートの海へダイブ!
ラウンジに戻り、嘘偽り無しのリアルモルツを飲みつつ話題はやはり謎のゲストについて。通りがかった宮原さんに聞いてみると、"少なくとも友人ではあるだろう" という大方の予想を裏切り「まったくの初対面」であった事が判明しました。想定外のエネルギー誕生に当人達も困惑しつつ気を遣ってなかなか演奏を終えれなかった、と語るその姿にまたもアラスカの写真がフラッシュバックしてきました。

帰りはスペイン坂のピエトロで生が100円!?との噂を聞きつけて直行。100円だけにセカンドビアではあったものの、ついついレストランであるという事を忘れて飲み屋使いしてしまい白い目で見られつつ…。

さてさて、夏以降僕達もライブイベントをやっていきます。まず、毎年恒例の築地本願寺『他力本願で行こう!』は8/23開催。出演者も大体決定しています。下記のサイトで順次発表されていきますのでご確認ください。今年は土曜日開催で勿論フリー。ライブ以外にもお楽しみ要素を考えていますので今から空けておいて損はさせませんぜ。
http://hongwanji-shutoken.net/live2008/

誰そ彼は、サーファーズの宮原さんとの共同企画を久々にやります。日程は9/27(土)。宮原さんのDJが久々に光明寺で聴けます。また宮原さんご推薦の出演者もとても楽しみなラインナップとなりそうです。こちらも確定次第いつものサイトで発表しますのでヨンロスク~▼
http://www.higan.net/blog/tasogare/

投稿者 Takuya Endo : 01:20 AM | コメント (0)

May 30, 2008

マルオト in the sky

*「土曜昼下がりマキシマム・ジョイの再発を試聴中の僕を捕まえた電話に連れられて、月曜夕立の六本木Super Deluxeへ。誰そ彼第一回の記念すべき出演者であり、その後も着実に出演回数を増やしている西出剛大と名古屋の仲間たち、マルオトのライブでした。寺の本堂で行われる誰そ彼では見られないフルバンド5人編成のマルオト、僕が見るのは実に一年ぶりです。

ライブ前に西出さんと話していると、最近はよくダイナソーJRと米米クラブを聴かれているとの事。間も無く始まる本日の演奏にもその要素が反映されるとの宣言があり、とても楽しみ!

微音で美音なびよんびよんノイズで幕を開けるマルオトの演奏。あっちのドアが開いたりこっちのドアは閉じたまんまだったり、せわしないようでいて実はとても調和のとれた音空間が広がります。マルオトのノイズはいやなところがない、かといって気にならない事もない、寧ろ気になってきて右や左を向いてしまう人懐っこい音なんです。正にマルオトという名前がしっくりとくる。そんな気持ちのよい音の波間に漂っていると、閉じた扉の向こうでゆっくりとカウントをとっていたPOCAさんがドラムを打ち始めます。この瞬間がなんともいえぬ至福のシーンです。そこから徐々に曲が形作られていきます。シムアースというゲームや、プレ・ヒカシューの『サンセット・ワールド』という曲を思い出しました。リズムで曲が始まった気がするのは刷り込みのようだけれど、自然に体も動いてきて…アレ?コレ、コメコメ??

ドコドコ進んでいくリズムに執拗なまでのギターカッティング、それに乗る上モノは時間を超越したかのような桃源郷の音色。その合間を文字通り縫合していくバランス感覚は西出氏のベースが担当しているように見えました。米米なら石井竜也、トーキングヘッズならデヴィッド・バーンのポジションです。2曲目はマルオト流ファンクネスが見え隠れする、宣言通りならば米的影響大な新境地を感じさせました。
普段はとても緩やかな空気が流れているマルオトですが、演奏はとてもロマンチックに構成されていてかっこいい。

5人編成で、こんなに良い演奏を聴いたばかりで残念な気もしたのですが、このライブを境にしばらくは3人編成になるそうです。でも、3人ならば3人なりのマルオトでまた素敵な浪漫飛行へin the skyしてくれるはずです。ネクスト・フライトは是非光明寺でお願いしたい。▼

投稿者 Takuya Endo : 12:21 AM | コメント (0)

May 03, 2008

アイム・ノット・ゼア

アイム・ノット・ゼア

*「火曜日にアイム・ノット・ゼアを観ました。祝日だったので渋谷は混むかなーと思って立川の映画館へ。案の定、コナン君目当ての家族連れと映画館の列に並んだわけですが、すぐ後ろのマダムもといおばちゃんデュオは映画の上映開始時間で見るプログラムを決めているご様子…。つまり、今すぐ観られるやつの中で選んでしまおうという、ある意味優雅なおばちゃん脳。『寿司王子はさすがにねえ…、クロサギって映画のほうがまだ…』みたいな話をしているのですが、思わず『アイム・ノット・ゼアも12時半からですよ。一緒にどうですか?』と声をかけてみたくなりました。勿論そんな勇気はないのですが、ボブ・ディランに興味の無い人から見たらどういう映画なんだろうという想いが(結局おばちゃん達はクロサギへ)

広告を見ると"ボブ・ディランが6人!?"なんて謳っていて目をひく感じで、広告だからそれでいいのですが、実際は"6人"ということよりも"六面体ディラン"とか"ディランアパート六部屋あります"みたいなのがしっくりくるナアと思いました。ボブ・ディランのある時期、ある一面をキャラクター化した6人の主人公のお話しを、時間軸を無視して混在させることで多面的なディラン像をひとつに浮かび上がらせるという手法なのですが、それぞれのお話の"閉じたセット感"が気になりました。セットというのは、撮影用のセットのセットです。おそらく意図的にミニチュア/ジオラマっぽく感ぜられる絵にしてあり、見ている側としてはとあるテーマで確立された部屋をいったりきたりしているような感覚になります。遊園地のお化け屋敷で、生首の転がる長屋を歩いたと思ったら次の部屋はいきなり洋館でフランケン風の男に追いかけられたり、とりあえず墓場だったり、だけど外に出てみると『ああ、お化け屋敷だったなあ』なんて感想だけが残る、みたいな。
6つの部屋をごちゃごちゃと細い線で繋ぐわけではなく、ある程度ひとつのテーマで確立させておいて、必要なところにわかりやすい太い通路があけてあるという点に好感をもちました。(ベン・ウィショーの役どころや、ウディ・ガスリーのギターケースなど)

キャストについては、リチャード・ギアはどうなのよなんて意見もありますが、デフォルメという観点と6部屋の個性化という部分ではそんな飛び道具もありかと…。(リチャード・ギアが6人の中で最もファンタジー方面担当という点は居心地悪いですが)
それとやはりケイト・ブランシェットの作り込みは見所だと思います。イーディ役はひどい。そこだけいきなり自主制作映画風。そっちはそっちで別の映画がやるからいいのかな。にしてもヒドい。

音楽は、サントラも凄く楽しめた手なのでよかったと思います。ディランをディランじゃない人が演じていて、歌もディランじゃない人が歌っているというのは凄く自然で理に適っています。(勿論ディラン本人の歌唱も使われています)とはいえ、アーティストの色が濃く出ているカヴァー(Yo La TengoとかSufjan Stevensとか)や、本人が出演してしまっているシャルロット・ゲンズブールによる"Just Like A Woman"など劇中流れない曲も多数でした。個人的に気に入っていたスティーヴ・マルクマスの"Ballad of a Thin Man"が重要なシーンで長く使われていたのはよかった。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、その曲の口パクを担当するキャストが…(略)…なのも良いです。

サントラ盤

ボブ・ディランという名前が登場しないというのは徹底していました。もし、件のおばちゃん達が見たらどういう感想を持っただろうか。気になります。▼

投稿者 Takuya Endo : 12:28 PM | コメント (0)

March 22, 2008

山本精一 大友良英←Bjork

カップヌードル

*「昨日の夜は山本精一さんの単行本『ゆん』刊行記念ライブへ行ってきました。会場では今の期間氏の画展も開かれており、絵に囲まれながら演奏を聴く事ができるという正に山本づくしの素敵なイベント。山本さんの演奏はボアダムスやROVOなどで何度も見ているのですが、大友良英さんと二人きりという小さな編成で至近距離というのは今までになく、僕は意味も無く緊張して臨みました。
ステージには二台のアンプと二本のギター。きっとステッカーのたくさん貼ってあるボロめのストラトキャスター(黒)が山本さんので、隣のエレアコが大友さんのだろう。エフェクターはなんだか色々と繋いであり、ゆるゆるっと登場してきた二名がそれに触り出すと徐々に空気が異化していきます。昨年の高瀬アキさんらのピアノ二台イベントの時も思ったけれど、二つの同じ楽器のかけあい演奏というのは、一つの時や他の楽器との合奏の時よりも"音って空気の振動なのだ"という揺ぎ無い事実をよく思い出させてくれます。一つの小さな波を起こしそれを電気で増幅させ色々な模様や音を描き出す、シンプルな事だけど二人のような巧者でなければ表現できないニュアンスがあります。
そして、前述の同楽器二台という編成のせいか、または演奏者の技術の賜物か、楽器ごとの個性も滲み出てくるようです。僕の好きな想い出波止場のアルバム『VUOY』の1曲目は『SPIRITS』というタイトルで、ただギターを「ジャーーーン」と1回鳴らすだけの曲なのですが、何度聴いたか数え切れないそのCDの「ジャーーーン」のシーンが何度もありました。僕はギターを弾かないのでギターの個体識別なんて今まで意識した試しもないのですが、ユニークなギターはわかるんだという事がわかりました。
二部はトークショーで、サイン会もありお腹いっぱいの一夜でした。例によってミーハー丸出しでサインを頂戴したのですが、時計の顔の男が連れた犬が大きなカップヌードルを背負っている絵を描いてくれました。
絵画展のほうは思ったよりも点数が多く、色のついた大きなサイズのものからFAXの裏紙の紙片の殴り書きのようなものまで、氏曰く"かき集めて"展示されてありました。インターネットには書いちゃいけないタイトルのついた、題名オチ的な一面を省いても(笑)魅力的な絵が多かったです。少し漫画っぽい画風で、メルヒェンな感性と淡い色使い等はどこか諸星大二郎先生を彷彿とさせ、僕好みでした。画展はまだやっていると思うので、お薦めです。

久しぶりに筆をとったついでに、遡って先月見たライブについても書きます。先月はビョークの武道館公演を見に行きました。仕事で行けなくなってしまった人の代打として行ったのですが、これがとても良かったです。ビョークは『Vespertine』以降あまり聴いてなくて、最近の曲はティンバランドとやった曲くらいしかチェックしておらず今どんな感じなのか見当もつかなかったのですが、まずはマーク・ベルがまだ居た事に一安心。選曲も頭からヒット曲出し惜しみ無しのパワープレイです。ビョークは原色の衣装を纏い、同様に派手な衣装のブラスバンドを大勢連れています。このブラスバンドとマーク・ベルという組み合わせが絶妙で、特にArmy of Meのクレイジーなアレンジや、Hyper BalladのLFOマッシュアップで武道館が踊る姿は圧巻でした。件の衣装やステージセット、ライティングも相俟って、これが噂のモノノケダンスかといった具合です。

前にビョークを見たのが98年のフジロックでホモジェニックの頃だったのですが、今回はそのホモジェニックから結構やってました。ただあの時ストリングスだった音が全て金管になっているので緊張感やシリアスさが抜けて黄金色の温もりが出ています。しかしやはりどこか物悲しさを湛えているというか、なんともヨーロッパな音色。その物悲しい音色のせいか知りませんが、まるでセカンドラインの葬送曲に聞こえてきて、ビョークの声と踊りには何かに対する弔いの祈りのようなものを感じました。ホモジェニックはまっすぐな生の印象のアルバムでしたがどこか高いところに居るのに対して、どうも今回のアルバムは同じ"生"をテーマにしつつももっと身近で生々しいもの。裏返して"死"、また裏返して"生"みたいなストリート感が感ぜられるのではないかと。
…と、思って早速新しい『Volta』を聴かせてもらったらやはりそのように思えてきてならず、写真のビョークの妙な化粧も見知らぬ国の民族が死人にする化粧に見えてきました。▼

投稿者 Takuya Endo : 02:19 AM | コメント (0)

December 31, 2007

2007年の10曲

Amazon.co.jpで購入 渋谷毅 / Skating In Central Park
Amazon.co.jpで購入 forro in the dark feat. David Byrne / Asa Branca
Amazon.co.jpで購入 あがた森魚 / 骨
Amazon.co.jpで購入 Robert Wyatt / Hasta Siempre Comandante
Amazon.co.jpで購入 Tracey Thorn / By Piccadilly Station I Sat Down And Wept
Amazon.co.jpで購入 The High Llamas / Winter's Day
Amazon.co.jpで購入 Prince / Mr.Goodnight
Amazon.co.jpで購入 ハリー細野&ザ・ワールド・シャイネス / Flying Saucer Break Down
Amazon.co.jpで購入 Aki Takase / The Sphinx
Amazon.co.jpで購入 Van Dyke Parks / Four Milles Brothers (Live at 日比谷野音)

*「2007年、印象に残った10曲

・渋谷毅 / Skating In Central Park
2007年の買い納めCDは渋谷毅さんの『solo famous composer』でした。今年は2月、3月10月と、3回渋谷毅さんのライブを見たのですが、特に良かったのが西荻窪アケタの店での深夜のソロ演奏。そして、その日とそんなに変わらない自然な佇まいの演奏が、このCDにも録音されていました。思わず、先生!と呼びかけてしまいたくなる雰囲気をお持ちで、その期待にそぐわぬ演奏や言葉や態度に、幾度ともなくドキドキしたものです。2008年もまたアケタの店に聴きに行こう。

・forro in the dark feat. David Byrne / Asa Branca
これは2006年の曲ですが、今年本当によく聴きました。ブラジル北東部のダンス音楽、フォホーを演奏するNYのグループ forro in the dark がデヴィッド・バーンをゲストに迎えてブラジル・スタンダード『Asa Branca』を取り上げています。あがた森魚さんも、次に紹介する最新作で同曲を日本語カヴァーされており、[ 2004年の10枚 ]にてなんとなく2者の作品を並べたくなった僕としてはにんまり。両者ともにブラジルの人でないのに、何故か"サウダージ"という言葉が自然と馴染む素晴らしい歌唱です。

・あがた森魚 / 骨
2007年前半の主な活動はサワサキヨシヒロさんのご尽力の下に行なった伊東 宝専寺でのライブイベント『お寺と温泉ライブ Vol.1 あじさいさい』でした。そして夏から秋にかけては誰そ彼初の2Days、『誰そ彼は誰 ~tasogare 2days special~』の開催の為に動きまわっておりました。前者にて、伊東の港を背に感動的な演奏をしてくださったあがた森魚さんの最新作に収められた曲ですが、作詞はなんと後者で初日のトリを飾って頂いた久住昌之さん。お二人と誰そ彼の関わりの発生は全く別の機会であり、またもご縁の不思議さを思いつつこの曲を聴いていました。

・Robert Wyatt / Hasta Siempre Comandante
待ちに待ったロバート・ワイアットの新譜が出ました。これが今までで一番かも!と思える程の名盤で大感激。3部構成に分かれていてそれぞれ趣きが違い、そのおかげでワイアットの魅力のほとんどが網羅されているような気がします。特に3部のラストにスペイン語で歌われる、キューバ人の作曲家によるゲバラ賛歌『司令官よ、いつまでも!』のアレンジが白眉。3部のテーマは"Away With The Fairies -妖精と共にお出かけ"とあり、ワイアットはイタリア語とスペイン語を使い、外国人に化けてしまいます。"外国"といってもイタリアでもスペインでもキューバでもない、正に妖精と共にあるような誰も知らない異国の音楽のようでとても気に入っています。

・Tracey Thorn / By Piccadilly Station I Sat Down And Wept
25年ぶりという、トレーシー・ソーンのソロ・アルバムより。EBTGも随分音沙汰がなく本作でもベン・ワットとの曲がないのは寂しいところですが、そこは夫婦であるせいかベン・ワットの昨今のDJ活動を思わせる曲が多かったです。中でもこの曲は80年代のEBTGにあったような、夜の街のあたたかさを携えており一人歩きながら聴くのにいいです。ついこないだ動物園の休憩所でラーメンを食べている時に何故かトレーシー・ソーンの歌が流れ、それが意外にシチュエーションにマッチしていたのもなんだかすごいと思いました。

・The High Llamas / Winter's Day
僕が高校生の頃から、ずっとマイペースにいい曲を出している人達だナアと思っていましたが、最近は更に洗練されてきておりますます好きになりました。ストリングスやコーラスのアレンジが美し過ぎるのは今も尚な上に、ちょっとモータウンっぽさも出てきたりしていてたまりません。ヴァン・ダイク・パークスというより、やはりフィル・スペクターなんだな、なんて思ったりして。この曲も、タイトルの通り冬のキリッとした寒さが感ぜられ、今の時季にぴったりの名曲です。

・Prince / Mr.Goodnight
相変わらずの完璧な演奏と録音。しっとりとした趣きのトラックと女性コーラスに馴染む殿下の落ち着き払ったラップ風ボーカルに痺れました。

・ハリー細野&ザ・ワールド・シャイネス / Flying Saucer Break Down
7月末に日比谷野音で行なわれた細野晴臣還暦記念ライブイベントで、最後に登場したクールなカントリーバンドが演奏していました。2007年も細野さんの歌を聴く事が一番多く、特にうたもののアルバムが出たのはとても嬉しいです。カヴァー曲ばかりでなく、新しい曲もどんどん出るといいなあ。余談ですが、同曲の歌詞から早速タイトル引用させて頂いたキャンプイベント『よい子になりますキャンプ』の記念すべき第一回目がとても楽しかったので、2008年もまたやろうっと。

・Aki Takase / The Sphinx
高瀬アキさんのライブも、来日ツアー中3回も見ました。そのうち2回は多和田葉子さんとのデュオ、1回は"ピアノ舞踏会"という8人のピアニスト達によるイベントでした。特に念願であった多和田葉子さんとのデュオが見られて嬉しかったです。このソロアルバムでは、オリジナル曲の他にセロニアス・モンク、カーラ・ブレイ、エリック・ドルフィーなどの曲も取り上げていてそれぞれが素晴らしいのですが、オーネット・コールマンのこの曲はキャッチーなテーマを導入に、静と動の入り乱れる高瀬さんの魅力爆発といった感じの演奏でかっこいいです。

・Van Dyke Parks / Four Milles Brothers (Live at 日比谷野音)
前述の細野晴臣還暦記念ライブに登場した"まさか!?"の地球の仲間、ヴァン・ダイク・パークス。レコード屋で働いていた頃によく聴いていた曲ですが、生歌が聴けるなんて"まさか!?"夢にも思わなかった!今年一番嬉しかった音楽的サプライズでした。ありがとう、空飛ぶ円盤。イベントのラストに出演者総出で演奏された『さよならアメリカ、さよならニッポン』も、なんだかとても象徴的でその光景を思い出すだけで目頭が熱くなります。細野さんはこの曲でパークス師匠からマルチトラックレコーデンングを習ったというんだから…。


2008年は暖かくなったら誰そ彼をやる予定です。他にも、誰そ彼周辺で新しい事を少しずつ始められたらなんて話しています。告知やご報告などは、当ブログでも行なっていきますので今後ともご支援の程よろしくお願い致します。▼

::過去の関連エントリー::
2007年1月 - 2006年の10曲
2005年2月 - 2004年の10枚

投稿者 Takuya Endo : 02:46 PM | コメント (0)

November 12, 2007

第2回ピアノ舞踏会

*「ベルリンから来日されている高瀬アキさんを追いかけて横浜、両国ときて先週末は吉祥寺に。11/11に武蔵野公会堂のホールでおこなわれた"第2回ピアノ舞踏会"を観に行きました。感想をささっと。

男性4名、女性4名が男女ペアでデュオを組みピアノ2台+αで演奏をするというものでした。前半に4組でた後に、休憩を挟みペアを組み替えてまた4組。事前にCDを聴いた事があったのは高瀬アキさんと三宅榛名さんだけだったのですが、前半のプログラムを聴き終えた頃にはそれぞれの個性がなんとなくわかってきて後半の組み合わせが楽しみになるという按配。なるほど~。皆さん、即興演奏は百戦錬磨といった感のある、個性豊かで自由な演奏ぶりでした。
特に、現代音楽畑と思しきパク・チャンスさんと三宅榛名さんの演奏が心に残りました。男性と女性では体重や体型の差は違えど、各々のスタイルで箱を鳴らし震わせ、音を出すための基本的な仕組みを実感させてくれる演奏だと感じました。

最後は個性豊かな8名が壇上に登場し、好き放題(笑)正に天衣無縫といった印象のステージ上の見た目とサウンド…あまりに自由な大人たちを見て、心底笑ってしまいました。こんな風に笑ったのは久しぶりだなあ。よかった。

さてさて、今週末は光明寺で誰そ彼です!
17日はfishing with johnさん、ゴトウイズミさん、久住昌之さんが登場します。18日は名古屋のマルオトさん、MY PAL FOOT FOOTさんにshibataさんasunaさん、横浜からアンソニーさんと仲間達、そしてBoys In Townさんが登場します。
それぞれ違った趣きで楽しめると思いますので、お時間ある方は是非二日間参加してください。気持ちばかりですがサービスも考えております。
詳細はコチラでご確認頂けます。よろしくお願いします~。

ちなみに、18日に出演するマルオトさん、MY PAL FOOT FOOTさん、shibataさん、asunaさんは17日にペンギンハウスに出演されるのですが、ペンギンハウスのスケジュールを見てビックリ。なんと17日に誰そ彼出演のゴトウイズミさんが16日にペンギンハウスに出られるそうです。ペンギンハウスさんと提携などはしてないですので(笑)これはなんとも面白可笑しい奇遇です。▼

投稿者 Takuya Endo : 11:05 PM | コメント (0)

November 05, 2007

阿佐ヶ谷ジャズストリート→音の間 ことばの魔→飛魂 [Ⅰ]

*「ここ最近また良いライブに恵まれているので、長くなりますがご報告。

先月末には阿佐ヶ谷ジャズストリートに参加しました。以前友人に連れられ神社で山下洋輔さんの演奏を聴いて以来で、今回は大好きな渋谷毅先生がエリントンを演られるというので。
東京は台風の日で、駅前の喫茶店に辿り着くだけでもう既にびしょ濡れ…勿論そのせいでいつものような人出は見られず、屋外での演奏も全て中止となっていました。残念です。そして豪雨の中多少迷いながら、渋谷毅エッセンシャルエリントンの演奏会場である産業商工会館へ到着。入場時にすれ違った渋谷先生は今日も学校の先生みたいに颯爽と歩いていてかっこいい。

エリントンばかりをやるバンドなので、1曲目はもちろんエリントン。優しさのあるとてもいい曲でした。曲名は残念ながら失念。次にやったのはエリントンがシェークスピアを題材に作ったアルバム『Such Sweet Thunder』からSonnet forとつく4つの小曲を続けて。これも趣きの違う4曲ながら、それぞれに特徴があって面白い。
…なんというか選曲が素晴らしいのです。エリントンだからいい曲がたくさんあるのでしょうが、その中でも特にセンスの良い楽曲を取り上げられているような気がします。
後半はボーカルにゲストとして清水秀子さんを加え、"Prelude To A Kiss"、"Caravan"などの定番を演奏しました。老若男女が集うジャズ・ストリートならではのはからいといったところでしょうか。ラストは"Take The A Train"で締めました。

峰厚介さんのソロや、松風鉱一さんの様々な楽器に持ち替えてのいぶし銀なプレイもとても印象的でしたが、今回特に残ったのは外山明さんのドラムです。特にソロはなんだか凄かったです。力の抜け方が絶妙でフシギとスリリング。渋谷先生も外山さんのソロ終わりのタイミングに戸惑って思わず笑っていらっしゃいました。渋谷先生のバンドにはこういう個性を持った方が必ず一人か二人くらいいらっしゃるような気がします。そういったところからジャズの良さが零れ落ちるようなのが好きで、また見に行きたくなってしまうのです。あとは、MCで"アンコールという作業が面倒なので続けてA Trainを演奏して終わります。ありがとうございました。"と言ってらして、アンコールを作業と呼んでしまうような、アーティストというよりもやはり学校の先生を思わせる物腰に惹かれます。

ホールを出た後も強い風雨でしたが折角フリーパスを買ったので、頑張って小学校の体育館での演奏を聞きにいってみました。そこで何故かケーブルテレビ(J-COM)の人に声をかけられインタビューを受けました。インタビュアーがケーブルテレビらしい素人お姉さんという感じで、僕らもきっとオンエアーを見たら赤面してしまうようなシロモノになっていそうですが、一行3名で出演しております。いつ、どうやったら観れるのかも知りませんが…。

先週末は二日間連続で同じアーティスト、ジャズピアニストの高瀬アキさんと作家の多和田葉子さんによるデュオを観ました。二人はベルリン在住なのでこれは来日公演という事になります。昨年、この二人のCDや本を貸してもらってからずっとはまっていて、高瀬さんに関してはこちらのエントリーこちらのエントリーでも少し触れています。
この二人によるライブがとてもよいという事は常々聞いていたのに、昨年の公演は行きそびれてしまったので、今年は飛付いて思わず2公演分のチケットを買いました。

金曜日は神奈川県民ホールのギャラリーにて"音の間 ことばの魔"と題された公演でした。ギャラリーは地下にあり階段を降りていくと、まるで巨大蜘蛛が巣をはったかのように天井から床へ毛糸が張り巡らされ暗闇に美しく浮かび上がっていました。ステージ上のオブジェや聴衆の椅子までも糸に取り込まれており、見たことの無いような異空間と化しています。同会場にて1ヶ月間展示をしているこれまたベルリン在住の美術作家、塩田千春さんの作品の中でライブを聞くという趣向のようです。
いよいよ登場した多和田葉子さんと高瀬アキさん、静寂を破る待望の一音目、多和田さんは見た目と裏腹に芯のある不思議な声、とてもいい声。高瀬さんは見た目に違わずしなやかで、でも意外に繊細という、とてもいい音。何故か緊張します。
多和田さんの流れるように心地よい朗読に、高瀬さんの変幻自在のピアノが噛みつき、両者言葉をかけあい、もつれあっていきます。その様子は時に可笑しく痛快で、時に息を飲む程に美しい。多和田さんの批評性とユーモアを十二分に湛えたユニークなセンスと、高瀬さんの動物的な瞬発力と類稀なる技術がとても相性よく響きあいます。様々な日本語を集めてきてまな板の上に載せ、それらを音で切ったり、形で盛り合わせたり、ピアノの音を添えたり、またはその逆で高瀬さんのピアノの演奏に色々な言葉が味付けをしたり、絶妙のバランスで両者がまぜあったり…。

ステージ中央にあるオブジェは焼けたピアノです。元々黒いものですが、こんがりと真っ黒に焼けています。そのオブジェは塩田千春さんの作品で、このピアノを"黒神さま"という神様に見立ててそれに出会う夢遊病の少女のストーリーはこの公演ならではのものなのでしょう。幻想的なステージの演出と相俟って醸し出される少しの恐さと、塩田さんの作品を"黒神さま"に異化してしまうユーモアがとてもいいです。
続けて、饒舌なメロディーを持った高瀬さんのピアノに合わせて二人が「アーヤーメー」と歌う不思議な曲では多和田さんがアンチ・グルーヴな態度でマラカスを振るのがとても楽しく、そのマラカスの金色と多和田さんのちょっと傾いた姿勢が忘れられないかわいらしい一曲でした。そこで本公演最初の拍手が巻き起こるというのも楽しい。

そして圧巻だったのは高瀬さんのピアノソロパートです。ピアノの中にピンポン玉をたくさん流し込んでの演奏。鍵盤を叩くごとにピンポン玉がポンポンと飛び、見た目もさることながら音がすごいです。ピンポン玉が跳ねる度にピアノは金属的な音を伴なうわけですが、それが聴いているうちにどうも高瀬さんのコントロール下にあるような気さえしてくるのです。ピアノの中から飛び出すピンポン玉も後半は出そうとして出してるようにも思えたり…。

多和田さんの見所はテンポの早い、まるでラップのような朗読。Blackaliciousの曲にAlphabet AerobicsというのがあってABCの単語でラップをしていきそれがどんどん速度があがっていくという有名な曲なのですが、なんだかそれを思い出しました。

高瀬さんと多和田さんはこのようなことを日本語でピアノでやっていると言えば、二人のライブのおもしろさの一端をあらわせるかもしれません。

そして土曜日は両国にあるシアターXというホールで"飛魂 [Ⅰ]"と題された公演でした。『飛魂』とは多和田さんが1991年に出した小説のタイトルで、この公演はその朗読を挟みながら進行していきます。
シアターXは初めて行ったのですが、学校の体育館のような床が気持ちの良い場所です。二人が初めて日本で共演した場所らしく、それから毎年ここでライブをしているとの事で前日の公演よりリラックスしてやられているという印象を受けました。"あわだちそう"という演目は、二人が「○○くさ」と、くさのつく言葉を掛け合っていくという方式の即興演目です。いわゆる植物のくさで繋ぎながら、そうでない"くさ"を混ぜる事で二人の気持ちが交差するのが愉快でした。奔放且つ直感的に進める高瀬さんに対し、苦笑しながら「やりにくさ」と返す多和田さん、といった具合に前日には少なかった即興ならではの楽しみが散りばめられていました。

多和田さんの小説の面白さは、話の筋もさることながらそれ以上に言葉の選別の熟慮によるグルーヴ感があると思います。詩も沢山書かれる方であったり、日本語以外の語学もドイツ語をはじめとしてとても堪能であるという点などから、音にも相当の気を払われています。本公演のテーマとなった『飛魂』も、ストーリー的には割とフラットな印象がするのですが、言葉の形や色や音でその本一冊の起伏を作り上げているように感じました。小説なのに朗読に非常に適している。(話の中でも朗読が重要なテーマとなっています)しかし、形や色を楽しむという点ではやはり本がいい。…つまり一冊で多重に楽しめる本当によくできた本だなあと再感動しました。

シアターXでは公演後にロビーで談笑するお二人を見かける事ができたのもよかったです。神奈川県民ホールでの公演の後はワインとパスタ、両国シアターXの公演の後はビールにちゃんこという食事で締めたのですが、両会場の公演が会場の雰囲気や客層も含めてそれぞれの日の食事に意図せず対応していたような感じでした。どっちもとても良かったです。

次の週末は高瀬アキさんを更におっかけて、というか近所の武蔵野公会堂に来られるようなので是非とも聴きにいってみようと思います。▼

投稿者 Takuya Endo : 02:59 AM | コメント (0)

August 02, 2007

細野晴臣と地球の仲間たち ~空飛ぶ円盤飛来60周年・夏の音楽祭~

UFO

*「先週末、日比谷野音でおこなわれたイベント"細野晴臣と地球の仲間たち ~空飛ぶ円盤飛来60周年・夏の音楽祭~"を見に行ってきました。細野さんの還暦祝いということで、先日リリースされたトリビュートアルバムの参加アーティスト達が集まっての前半部、インターバルを挟んで後半に細野さんのバンドのライブ、という構成でした。長丁場でたくさんの人が出てきたので少しかいつまんで、またもやミーハーなレポートを掲載します。

開演早々にイエロー・マジック・オーケストラの三人が出てきて挨拶の後、これまた早々の登場となるヴァン・ダイク・パークスを紹介。デニムのオーバーオールを着てまるっと太った愛嬌のある彼は"Yellow Magic Carnival"でストリング隊を含む大所帯のバンドを指揮しました。ボーカルがヴァン・ダイク・パークスではなくサンディーだったのが少々残念でしたが、生ヴァン・ダイク・パークスのいきなりの登場に興奮してしまいました。
トリビュートアルバム参加者が入れ替わり立ち代わりで1曲ずつ演奏していく前半は多少間延びの感が否めず…でも、合間合間に竹中直人&緋田康人があらわれてコント風の司会(?)で繋いでいました。(それは相当面白かった)
日が暮れかけた頃に、東京シャイネスのメンバーの何人かがバックバンドとして演奏した"午前3時の子守唄"で、涼しい風とともに音が断然良くなって空気が引き締まりました。さすが。

休憩を挟んでいよいよ細野さんバンドの登場。一応、今回のイベントのコンセプトに合わせて、空飛ぶ円盤から細野さんが降りてきたような演出の後、曲は"未知との遭遇"でスタートしました。バンドは東京シャイネスから数名のメンバーチェンジを経てワールド・シャイネスとなり、楽曲は全て"クールな"カントリーとなっています。MCでは、「60になったのでテクノはもうやめました。これからはカントリーやります」、「(前半にSketchShowの曲をやったCornelius+坂本+高橋を指して)あの3人かっこよかったよねぇ、あれでやってったらいいんじゃないかな?」とか、「ポリリズム?めんどくさい」なんて発言も飛び出していました。"ボディー・スナッチャーズ"までカントリーにアレンジされていて、新曲も含むクールカントリーな数曲を披露した後、再度ヴァン・ダイク・パークスが登場。そしてなんと僕の大好物『Discovery America』から"Four Milles Brothers"を歌ってくれました。人前で歌ったのは初めてということで、まさかこんなトコロで生で聴けるとは!と感動しきり。本編ラストは仲良しのユキヒロさんと"スポーツメン"(無論カントリーアレンジ)をデュエットして幸せそうな細野さんでした。

それでアンコールはいつもの"幸せハッピー"の後、こういったイベントのお約束である出演者総登場です。ヴァン・ダイク・パークスはアコーディオンを抱えて出てきて、彼と細野さんのはっぴいな記憶、"さよならアメリカ、さよならニッポン"を皆で合唱してHAPPY ENDと相成りました。

還暦祝いイベントというには、トリビュート・アルバムの参加者ばかりで、もっと色々な時代の関連アーティストが出ればいいのにナアと思いましたが、ヴァン・ダイク・パークスの生歌やユキヒロさんとはしゃぐ細野さんの楽しげなお姿が見られて満足でした。
9月リリースのハリー・ホソノ&ザ・ワールド・シャイネスのアルバムはカヴァーやセルフ・カヴァーが中心のようで、もっとたくさん新曲を聴きたいのになあ…。▼

::過去の関連エントリー::
2006年3月 - さよならアメリカ さよならニッポン
2005年12月 - 細野晴臣&東京シャイネス@九段会館

投稿者 Takuya Endo : 07:26 PM | コメント (2)

March 20, 2007

渋谷毅Orch→Yo La Tengo→小林洋子Duo→マルオト→渋谷毅Solo

*「最近には珍しく、よくライブに足を運んでいます。Google様マイカレンダーに御伺いをたててみるとここ一ヶ月で5件。

2月 15日 Live: 渋谷毅オーケストラ - 新宿 ピットイン
2月 19日 Live: Yo La Tengo - 渋谷 O-East
3月 1日 Live: 小林洋子(p)+鈴木徹大(g) - 西荻窪アケタの店
3月 3日 Live: マルオト - 新大久保 EARTHDOM
3月 10日 Live: 渋谷毅ソロ - 西荻窪アケタの店

それぞれの感想を簡単に記してみようと思います。

● 2月 15日 Live: 渋谷毅オーケストラ - 新宿 ピットイン
この日のメンバーは、渋谷 毅(P.Or)松風鉱一(Sax,Fl)片山広明(Ts)津上研太(As)松本 治(Tb)石渡明廣(G)上村勝正(B)古澤良治郎 (Dr)
今回だけテナーサックスに片山広明さんが入った渋谷毅オーケストラ。個性豊かな前四人を指揮る渋谷さん、という構造が印象的でした。片山さんの豪快な出音、非常に器用に楽曲を色づけていく津上さん、芯があり鈍く光る松風さんのアルト、4人の中では冷静にひっぱっていく松本さんのトロンボーン…。後半、ロック寄りのギターにつっ走っていく石渡さんに聴衆のみならずメンバーからの注目がどっと集まった瞬間の空気にジャズの良さを想いました。渋谷さんを先生とするクラスメイト達みたいな感じで微笑ましい。
演奏されたなかではジャコ・パストリアスの曲がとてもよかったです。
ちなみに片山さんのブログがかわいい。

● 2月 19日 Live: Yo La Tengo - 渋谷 O-East
来日アーティストのチケットをとったのは久しぶり、ミーハー丸出しで出かけたこのライブで気になるのはやはり演奏曲。初っ端が僕の一番好きな曲"Way To Fall"で、それから新譜一曲目の長尺サイケギター曲へという流れは良かったのですが、東京初日のせいかあまり調子がよさそうには見えませんでした。MCで「昨日は東京マラソンに参加したので疲れてる」なんて冗談も言っていたし。
しかし段々と調子はあがってきて、本編終盤のノイジーな"Big Day Coming"~"Little Honda"辺りはとてもかっこよかったです。お決まりのアンコールでのカヴァーも、Kinksを2曲(!)、"Fakebook"収録のフォーキーな"Griselda"など味わい深くいただきました。"Upside Down"なんて古めの曲のリクエストにも応えてくれて僕のミーハーメーターは満たされたのでした。
ちなみに、ジェームスはサンエックスファン。そうとう嬉しかった様子

● 3月 1日 Live: 小林洋子(p)+鈴木徹大(g) - 西荻窪アケタの店
僕が昨年より騒いでいる高瀬アキのCDを貸してくれた友人がジャズピアノを習い始めたというのでジャズの老舗アケタの店を初体験しました。
このデュオは非常に清潔感のある演奏でとても気持ちが良かったです。小林さんのピアノは密度が濃く、ずっしり詰め込んでいるのにこの清涼感は何故だろう。鈴木さんのギターはとてもピュアなジャズギター。ロックを中心に聴いてきた僕の耳にはとても新鮮に感じる演奏でした。演奏したのはオリジナルを中心に、モンクやエリントン、アンコールリクエストではオスカー・ピーターソンなど。アケタの店の雰囲気もとても落ち着ける感じですぐに馴染んでくつろいでしまいクセになりそうです。
ちなみにアケタの店のメニューにはいちいちダジャレが添えられていて和む。

● 3月 3日 Live: マルオト - 新大久保 EARTHDOM
誰そ彼にも何度か出演してもらっている友人の西出さんのバンドが名古屋から新大久保に来るというので見に行きました。久しぶりにバンドマン風の西出さんの演奏を見て気分がとても盛り上がりました。マルオトは見る度に大きな変化があって楽しいです。最近は機会が減ってしまったけど、やはり友達のバンドを見るのは刺激的です。
この日は他にstruggle for prideや灰野敬二さんのバンド(ドラムが吉田達也さん)やhairstylisticsなども出演したのでEARTHDOMは大混雑。灰野敬二さんのバンドの演奏を見て早々に退散しました。灰野さんはギターは言わずもがなですが、声もいいんだという発見が有り(楽屋が禁煙だったらしいです。カッコイイ!)吉田さんのドラムも凄かったです。久しぶりに情報過剰な音楽も気持ちが良いなあ。
ちなみに西出さんは先ほどパパに。おめでとうございます。

● 3月 10日 Live: 渋谷毅ソロ - 西荻窪アケタの店
前回味をしめたアケタの店を早速再訪。毎週末深夜1:00スタートの部があり、なんと1000円(with 1drink)で楽しめるのです。誰そ彼価格で渋谷さんのソロを聴けるなんてとてもオトク!階段を下りると入り口のパイプイスに座り新聞を読む渋谷さんのお姿があり「こんばんわー」と挨拶を交わして入場する感じがまたよいです。
渋谷さんは常にとても姿勢が良くまるで学校の先生みたいで、胸の筋肉が凄いのはやはりピアノ演奏に役立つのだそうな。モンクなどを流石の腕前の素晴らしい演奏で、何故かポカポカと体があったまり、温泉にでも入っているような気持ちのよさ。僕はうっとりしながら聴いていましたが、ピアノが弾ける人からするととても緊張するのだそうです。その二極の印象を自然に与える腕前というのは余程のものなのだろう。
帰りは既に3時近いのですが、我が家までタクシーで1500円くらい。良い所に住みました。
ちなみに、アケタの店のメニューには(以下略)、やはり気になる。

…といった具合にライブ鑑賞が続きましたが、いつもの仲間たちと昨年末から計画していたライブイベントのほうがそろそろお目見えする予定です。今週木曜日配布のR25にちろっと出るらしいので、拾った方は探してみてくださーい。▼

投稿者 Takuya Endo : 02:32 AM | コメント (0)

January 30, 2007

2006年の10曲

Amazon.co.jpで購入 Dirty Dozen Brass Band / What's Going On Featuring Chuck D
Amazon.co.jpで購入 スチャダラパー / ジャカジャ~ン
Amazon.co.jpで購入 Kelis / Lil Star Featuring Cee-lo
Amazon.co.jpで購入 Morrissey / Dear God Please Help Me
Amazon.co.jpで購入 Charlotte Gainsbourg / Everything I Cannot See
Amazon.co.jpで購入 Senor Coconuts / Madmen Featuring Haruomi Hosono
Amazon.co.jpで購入 田島貴男 / Be My Baby(Live at 池上本門寺)
Amazon.co.jpで購入 Daniel Johnston / Some Things Last a Long Time
Amazon.co.jpで購入 Darondo / Didn't I
Amazon.co.jpで購入 Aki Takase & Alex von Schlippenbach / You Are What You Is

*「2006年に印象に残った10曲

・Dirty Dozen Brass Band / What's Going On Featuring Chuck D
Marvin Gayeの『What's Going On』を丸ごとカヴァーしたアルバムにて。カヴァーされつくしているであろう同曲でChuck Dを迎えるというニクい配役にシビれました。ジャケットからもわかるようにカトリーナから一年が経ったニューオリンズに捧げられています。

・スチャダラパー / ジャカジャ~ン
イントロを聴けばナットクのタイトルに想いが込められています。収録されている『con10po』はとってもビターなアルバムでした。個人的にも「マジかよ?」「それもアリかよ?」と思う機会が増えてくるお年頃なので、こういったCDにこそお金をつかってよかったなあと感じます。

・Kelis / Lil Star Featuring Cee-lo
流石に新鮮味も薄れてきてしまったプロデューサーを離れ、様々なヒトを招いてバリエーションに富んだ傑作を作りました。サンダービッチとか凄いニックネームで呼ばれていたKelisですが、"Crazy"が良くできていたCee-loをゲストに、とてもかわいらしい曲を歌っています。

・Morrissey / Dear God Please Help Me
モリ様の新アルバムはプロデュースがトニー・ヴィスコンティ、という情報を得て購入してみました。その中でもエンニオ・モリコーネがストリング・アレンジを手がけた楽曲が美し過ぎるモリコネクション。
モリ様は英語が苦手な僕チンにもわかりやすい英語で、微笑を誘いつつもドキッとさせる言葉を今でも紡いでいてかっこいいです。

・Charlotte Gainsbourg / Everything I Cannot See
深夜のラジオから流れてきた20年ぶりの新曲。ナイジェル・ゴッドリッチがプロデュースしていて、心落ち着く良いCDでした。参加陣が妙に豪華だし、ほとんど英語で歌っているのですが、かわいいのでまぁいいかという気持ちに。

・Senor Coconuts / Madmen Featuring Haruomi Hosono
昨年は今更ながら諸星大二郎の『マッドメン』にハマり、何度も読み返しましたがその時のBGMとして。
年を通じてたまに巡ってくる"なんか不思議なキブン"とマッチしていたような、気がする。

・田島貴男 / Be My Baby(Live at 池上本門寺)
去年はほとんどライブを観に行かず、大雨の中ふんばって待った田島貴男のソロライブが一番心に残っています。版権の関係で、CDでは原詩収録となってしまったのが悔やまれるこの曲。

・Daniel Johnston / Some Things Last a Long Time
2006年後半の気持ち面のテーマとなった曲です。"縁"という言葉と"因縁"という言葉の対比、"因縁"のカタチもさまざま。忘れないように聴き続けたいです。

・Darondo / Didn't I
ジャイルズ・ピーターソン先生によるグッドなリイシュー。70'sディープファンクの御仁で、どうやらレアらしい7inchをコンパイルしたものです。CDで買ったのですが音も満足で、内容は言わずもがな。光明寺本堂でも何度か流れたこの曲は光に満ち溢れていて全ての輪郭が吹き飛んでいるような印象をうけます。

・Aki Takase & Alex von Schlippenbach / You Are What You Is
昨年出会った音楽の中で一番刺激的だったのが高瀬アキのピアノでした。旧譜を何枚か貸してもらったのですが、この93~94年のライブ音源をよく聴きました。ここで取り上げているフランク・ザッパの"You Are What You Is"の美しさといったら!▼

投稿者 Takuya Endo : 12:43 AM | コメント (3)

October 19, 2006

some things last a long time

1990

*「先日、『悪魔とダニエル・ジョンストン』を観ました。ダニエル・ジョンストンというアーティストのドキュメンタリー映画です。(彼は素晴らしいメロディーの歌を作って歌ったりイラストも上手なのですが、気の病があり時に信じられない行動をとる事がありました。中には犯罪に近い行為も…)
両親、特にダニエルが反発を抱いていたお母さんを、おそらく意図的に、恐ろしくみせるように撮っていると感じました。恐ろしい、とみえたのは決定的な"ずれ"のこと。いくら長く一緒に暮らしたって、筋立てて話し合ったって埋める事のできないずれです。両親の世界とダニエルの世界が違いすぎて悲しくなってしまいます。しかしそれは仕方がない事です。多分両親にとっての神様と、ダニエルにとっての神様が違う。よくわからないけど、アメリカの家庭においてそれは致命的な事なのではないでしょうか。それでも、一緒の暮らしは続いていくし、それぞれの暮らしも続いていく、そんなダニエルの事を思うと、ここ数年新譜をそれなりにコンスタントにリリースするようになって、ワールドツアーも行えるようになるなんて奇跡に近いです。

そのツアーで来日した時のライブをみに行って、演奏は奔放だし、気分で終演にしてしまったようだったし、彼岸にいるひとなのかとおもったけれど、決してそうではなく、日本で暮らす僕の世界とも地続きであるという事がよくわかりました。それをわかった上で聴くダニエルの歌とわからずに聴くダニエルの歌はまた違ってきて、それがいいです。だから観てよかった。

ラストのスタッフロールでは大好きなキャスパーの格好をしたダニエルが楽しそうにおどけているモノクロの映像が流れるのですが、それがなんだかとても寂しい。バックで流れているダニエルの歌は"some things last a long time..."と繰り返しています。永遠に想い続ける事、どうしたってくっつかないもの、揺ぎ無い物質、暮らしていく事、映画の中に見えるやりきれなさが瞬間にどっと襲ってきて、ダニエルの歌声がとてもよく響いたのです。その時に、彼はすぐ隣にいるようなとても身近で心優しいアーティストなんだなあと思いました。

"Some things last a long time"は映画のサイトで流れています。▼

投稿者 Takuya Endo : 12:39 AM | コメント (0)

October 03, 2006

のすたるじゃ

*「先日、人の薦めでP.K.ディックの短編集を読みました。ディックを読むのは10年ぶりくらい。SFだからもちろん時代設定は未来なのですが、つきまとうこのなつかしさは何故だろう?久々に読んだからとか、昔に書かれたからとか、そういうのではなくて作品の世界全体を覆う色彩が褪せている。ずっとアンティークショップの中を歩いているような心持ちでした。読み進めるにつれ、かつて自分がその世界に居たかのような錯覚さえおぼえ、これはディックの描くSFの世界にノスタルジーを感じているのだと気付きました。本に限らず、音楽にだって景色にだってそういうものがたまにありますよね。郷愁のような感覚。僕のここ数ヶ月のキーワードはその"郷愁"だったのです。

発端は更に遡る事ウンヶ月前、人の家で何気なく読み始めた坪田譲治先生の『せみと蓮の花・昨日の恥』。予備知識も無く直感で人の本棚からチョイスしたので、それが彼の老成期の作品を集めたものだという事は後から知りました。『せみと蓮の花』というお話、主人公(=少年期の坪田)を取り巻く環境は決して幸福ではないのに、瑞々しい感受性と素朴で美しい生活のシーンが描かれ、それを読んで何故だか自分に対する焦燥感のようなものを覚えました。過去の日々。この話は坪田譲治自身が80歳を越えた時に、今までの自分を思い出しそれまで常に自分に付き纏っていた「死」をテーマに綴ったものです。「死」の裏返しとして少年期のバーフェクトワールドを実体験に基づいて描いています。実体験。80歳にして尚鮮烈に残るほどの記憶、ちゃんと拾ってとっておいた優秀な脳みそがとても羨ましいです。それで、僕を含む万人を惹きつけ、何度でも帰りたいと思えるノスタルジアを築きあげたというわけです。僕も一生のうちにカタチはどうあれそんなものを遺してみたいともやもや考えていました。

これら2作品は僕が偶々短い期間に遭遇した自分自身のノスタルジーのツボなのですが、他の人が接したところで郷愁の片鱗にも触れなかったりするのでしょう。また、僅かに重なったりもするのでしょう。自分のそのツボが段々と判明していくのは楽しいです。脳みそのせいか環境のせいか時代のせいか、残念なことに僕は坪田先生のような美しい描写の素材足りえる記憶は持ち合わせちゃいませんが、こうやって外部から自分にとっての郷愁のエッセンスを拝借しながらパーフェクトワールドを捏造していくのは人生の楽しみとなるかもしれません。そして僕が妖怪好きなのも、郷愁収集の一端という事もあるかもしれない。

[以下、近況]

邪魅の雫
邪魅の雫を読みました。まだ読んでない方も多そうなので細かい感想は書きませんが、昨晩の雨の中人ごみを歩きながら傘から傘へ落ちる雫の動きを見て思ったのは、相変わらず事件のモデリングを凝ってらっしゃるなあと。美学、があるのでしょう。それと、前述した"自分の世界"、"パーフェクトワールド"というのが作中で一つのテーマになっていたので僕としては勝手にシンクロニシティ…。
他には三橋一夫先生のふしぎ小説にはまっています。これも僕の郷愁の雫。

高瀬アキ
音楽は久々にジャズをよく聴いています。数年前に買ってよく聴いてなかったり内容を忘れたレコードがいろいろあったのでそれらを改めて。それと、人のお薦めでCDを借してもらったのですが高瀬アキというピアニストがとてもよかった。セロニアス・モンクやエリック・ドルフィーの曲をよく演奏していて、セシル・テイラーに共感を寄せているというピアニストなのですが、それらの方々のレコードを聴く時の気分によく似た印象を持てます。とんがっていて、あったかい、こんな人がいるなんて知らなかったなあ。ライブもみてみたいです。

Kelis Was Here
新譜ではケリスのやつが良かったです。暖かい質感のトラックやラップ風のヴォーカルに何故かTLCの2ndを思い出しました。ネプチューンズを卒業しキャラや飛び道具無しでもいけるという、KELISの実力が見れて安心。僕としては次のアイドルを探さねばという気持ちに。

Game Theory
ROOTSも新しいのがでました。ここ数作品のサウンドの振れ幅をROOTSの真ん中の柱で吸収したような安定の一作です。DEF JAMに移籍してセルアウトと思われたくなかったとの事。なるほロケット。前半でクエストラブが叩きまくり、後半はサンプリング主体。RADIOHEADを使ったりJayDeeへの追悼曲などおセンチなROOTSとなっていました。

郷愁の音楽には近頃出会っていませんが、この秋めいた空気の中、カーティス・フラーが吹くベサメムーチョを聴いて運動会を思い出したりしています。
僕も邪魅だとか邪ズだとか、あまり邪なことばかりしていると…▼

投稿者 Takuya Endo : 10:09 PM | コメント (0)

July 25, 2006

ジギー・スターダストと恐竜と指環

*「まずはご覧の皆様にご連絡。僕のメールアドレスでethink.jpというドメインのものをご存知の方はお手数ながらご変更願います(平成電電が日本テレコムに事業譲渡となった為、引越し手続きが出来なくなり強制解約…)最初からそうしてればよかったと後悔しつつも今更quexpoドットコムドメインのアドレス作りました。enアットquexpoドットコムです。もちろんen-doアットヒガンドットネットも今まで通り使用しています。宜しくお願いします。

それでついでに、最近買ったCDを紹介。

Gnarls Barkley / St.Elsewhere
St.Elsewhere

ちょっと前からラジオやTVでよくかかっている『Crazy』に驚いてチェックしてみたらデンジャーマウスとCee-looのユニットであるとの事。(Gnarls Barkleyという人物は実在すると言っているが、おそらく実在しない。デンジャーマウスお得意のアレ)今年のフジロックにも出るそう。観てみたいなあ。
んで、『Crazy』が相当ハイクオリティだったのでアルバムを楽しみに待っていたのですが、思ったより上下左右に忙しい曲が多くてiPodも悲鳴をあげています。Outkastの近作を彷彿とさせるリズムに、Gorillazにも通じる何ともいえない(UKっぽい)暗さ…。『Crazy』のように、スッカスカのトラックに真贋の判断が微妙な"黒さ"を感じさせる曲がもう何曲か聴きたかったところ。初期マッシヴ・アタックやSPACEKを楽しくいかがわしくSELL OUTさせたような。

Jurassic 5 / Feedback
Feedback

最近恐竜のTシャツやらぬいぐるみに心を奪われ、ごく密かな恐竜ブームが起きてたのですが更にJ5の新譜が出るとは今年は恐竜づいてます。DJのカットケミストが離脱してしまったのはネガティブな要素ですが、もう一人のDJヌマークやゲストプロデューサー陣が頑張って多様性を押し出しています。オールドスクール本領発揮といったエレクトロなパーティーチューンもゴキゲンですし、カーティス・メイフィールドの声ネタをフックに使ったトラックにも思わず唸ってしまいました。カーティスのハイトーンボイスに絡む、スーパーロウトーンなチャーリ・ツナのMCは今作のハイライトとも言えるでしょう。ツナの声はもはやiPodがとらえられません。カットケミストが抜けたおかげで毎回ラストを飾る2DJによるアクロバティックな長尺インストトラックも短めになったのが寂しいところですが、ここでもヌマークがカヴァー曲で渋味の新局面を提示していてそれもまた良し。ゲスト陣は少なめながらロックファンにもアッピールするモスデフとデイヴ・マシューズ・バンド(!)デイヴ・マシューズ・バンドとの共演曲『Work it out』は心が穏やかになるいい曲です。なんかかわいくてなごむ、お父さんの海賊カレーみたいな味わい。
また来日するといいなあ。前作の来日公演@SHIBUYA AXを観に行き、2DJによるパフォーマンスコーナーが相当楽しかったのですがそれも観れなくなってしまうのは残念…。やはり穴は大きいか。

Darondo / Let My People Go
Let My People Go

年始にラジオでジャイルズ・ピーターソンがこの人をかけていて、とても気になっていました。アナログで買おうと思いつつもレコード屋に足を運ぶのが面倒で怠けていたら店頭から消えました。仕方ねえCDで、とhmv通販のキャンペーンを利用して購入。
70年代ディープファンクの方で、7インチを3枚しかリリースしておらずレア且つ伝説の御仁らしいです。ジャケットの写真はかなり味のあるフェイスで、指輪がかっこいい。歌も顔に同じと言えばかなり伝わり易いかと思います。サウンドはヒガンに向かうスライ&ザ・ファミリーストーンといった風で、かなりの光量でとろけているか、かなりの漆黒でうごめいているかのどちらかです。2曲目に聴いた事も無い音のギターが鳴っていますが、iPod上ではただの塊でした。

というわけで、どのCDも家のステレオで聴くと幸せです。▼

投稿者 Takuya Endo : 09:58 PM | コメント (2)

May 23, 2006

明日の神話

*「田島貴男ソロ観たさに応募した池上本門寺でのライブイベントのチケットが当たりました。それで先週の土曜日は本門寺に行ってきました。

開場時のSEとしてジミヘンがかかると、寺でジミヘンというシチュエーションに『特攻の拓』を思い出しおおっと一人盛り上がりましたが、音はいまいち…住宅街のどまんなかでやる苦労が偲ばれます。そして開演30分前から例の豪雨!持参したレインコートを着て傘を差し木の下に非難するというちょっとしたフェス体験です。スタッフさんもかなり大変そうでした。
開演後も雨は降り続くも、田島さん観るまでは帰れないと木の下で寒さに耐えていました。3組目の斉藤和義の出番の頃にようやく晴れ間が差し、五重塔に虹がかかります。虹を見て少し元気を取り戻し、席に戻って田島さんの出番を待つ。

日がちょうど暮れた頃にいよいよ4番手の田島さんが登場しました。デカイ!長い手を伸ばしてアコギをがしっと掴み、登場早々演奏したのはなんと『接吻』大ヒット曲を出会い頭にかますといういさぎのよい男ぶりに惚れ惚れします。颯爽と豪快な登場に胸が躍る。
続いてエレクトリックギターに持ち替え『ティラノサウルス』を披露しました。CDではリズムがドラムンベース風ですが、それをギター一本のアレンジでパフォーマンス。演奏が相当達者で歌唱のリズム感も完璧。
アコギで演奏された『死の誘惑のブルース』ではシンガーソングライターらしき佇まいを見せ、CDで感じる詩の世界とは一味違った印象を持ててとてもよかったです。
そしてピアノに移り、ローリングストーンズ『Ruby Tuesday』の日本語カヴァー『さよなら、ルビー・チューズデイ』を演奏しました。背後のスクリーンに若き日のミック・ジャガーが映り、ピアノ弾き語りの日本語で歌われる“今は新しい君であっても ずっと君が好きさ”という一節に、田島さん訳はストレートで純粋な良い和訳であるとつくづく実感しました。
カヴァー二曲目はロネッツの『Be My Baby』でした。CDでは和訳の許諾がとれずにオリジナル歌詞で歌っていますが、ライブではタジマ訳バージョンで歌います。ツアーを観に行った友人からライブではタジマ訳でやると聞いていたので実際耳に出来たのがとても嬉しかったです。CD未収録が惜しいくらいこれも良い和訳で、サビのコーラスの無い独唱ピアノアレンジも趣きがあって良かったです。
そしてまたギターに戻って、『Yen』『夜をぶっとばせ』『或る逃避行』をやりました。『Yen』はCDでもパーカッションとギターだけのシンプルな曲なので弾き語り向けですが、まるでCDを聴いているかのような丁寧な演奏に驚きました。お寺でお金の歌というのもおもしろい。『夜をぶっとばせ』はストーンズの『LETS SPEND THE NIGHT TOGETHER』ではなく、オリジナルラブ(ピチカートV)のほうです。初期の名曲。今回のライブイベントのコンセプトが、“偉大なミュージシャンへの敬意”というもので、各出演者がカヴァー曲を演奏するのが決まりだったようで、それと結び付けての選曲だったのかもしれません。『或る逃避行』はストーリー性のある歌詞で、曲のほうもそれにあわせて大胆なリズム展開があるので、この曲を弾き語りで演奏しようと思うのも信じられないのですが(前述の『ティラノサウルス』も同様)、男・タジマさんは悠々とやってのけます。試みは見事に成功していました。自身の世界観の確立/確信ぶりが人並みはずれている。そしてそれに見合った技術力もちゃんと持ち合わせている。正にアーティスト!

ラストは新曲、『明日の神話』でした。タイトルからわかるように現在修復中の岡本太郎の壁画『明日の神話』をみたあとに作った曲だそうです。歌詞に“太郎と敏子のように僕らもなれるかな”というフレーズが登場するロマンチックなラブソング。星空の下、ピアノ弾き語りでこの曲が聴けるなんてとても贅沢な一時であると思いました。

田島さん最高です。気分が盛り上がり過ぎて、今更ながら自部屋にORIGINAL LOVEのポスターを貼ってしまいました。中学生の頃から好きですがさすがにポスターを貼った事はなかったなあ。今は我が家の壁で水木しげる先生のポスターと向かい合っています。▼

投稿者 Takuya Endo : 01:19 AM | コメント (0)

March 26, 2006

さよならアメリカ さよならニッポン

*「僕が最近知って嬉しかった事のひとつに“さくまあきらが学校の先輩だった”というのがあります。ジャンプ放送局で育った世代ではありますが、特別ファンというわけではなく、桃鉄は好きだけど買った事は無い。では何故嬉しかったのかというと、同じ経済学部を卒業していたからなのです。桃鉄の産みの親と同じ経済学部、なんとなく自分も何か作らなきゃという妙な使命感に駆られると同時に誇らしい気分、誰かに自慢したくなるような気分になりました。
というのは前置きで、有名人が学校の先輩だったくらいのハナシはどこにでも転がっているでしょう。それはミーハー気分で他人に話すくらいの役にしか立たないのですが、一方的な親近感を一歩越えて“ご縁”くらいになったら「やったね」ってなもんだと思います。

さて本題。卒業して数年たつものの、学校自体とはまだ腐りかけの縁が残っているようで、たまに貴重な情報が転がり込んできたりします。今回キャッチした情報は、立教大学大学院異文化コミュニケーション研究科の連続講演会第4回の講師が細野晴臣さんだというものでした。確か細野さんも立教大学卒業生ですので、これも一方的に親近感を感じていた有名人のひとり。喜び勇んで駆けつけた会場は、僕が所属していたサークルもライブに使っていた9号館大教室でした。ここにもまた一方的な親近感がひとつ。
そんな、母校を介した僅かなご縁なのですが、お蔭様で貴重なお話や音源を聴くことができました。

立教大学大学院 異文化コミュニケーション研究科 連続公開講演会第4回
「異文化の音、自然の音 - 音楽を<異化>する」より

生まれおちた時点で家にあったという大量のSP盤、“タイコのレコード”と呼んで気に入っていたブギウギのSPを聴いて育った幼少時代。掘っても掘っても尽きなかったであろうアーカイブに囲まれているという羨ましい境遇の細野青年が受けた最初のショックはBuffalo Springfieldだったそうです。ただそこにあるものでもない、エンターテイメントでもない、アートでも片付けられない“Something Else”に音楽のマジックを感じたそうです。例えば、とプロフェッサーロングヘアのルンバブギーを挙げていましたが、カリプソのリズムのスイングとブギウギピアノの8ビートが出会った時に生じたエネルギー・興奮のように、違うものが出会う場所が非常に大事であるとおっしゃられていました。そんな境界音楽の代表例として、細野さんがご自宅から運ばれたというSPプレイヤーから流れてきたのはナント『Hong Kong Blues』!!9号館大教室で細野さんと一緒にホーギー・カーマイケルを聴けるなんて光栄な事です。しかも異様に盤の状態がいい。この曲は『泰安洋行』でも取り上げてらっしゃいましたが、聴いて以来東京の景色が面白くなった(少し頭がオカシくなってしまった)きっかけの曲だそうです。

他にも、セニョール・ココナッツによるYMOのラテンカヴァーや、Van Dyke Parksが『Discovery America』内で取り上げていた『Bing Crosby』(という曲)のカリプソ原曲など、興味深い音源満載でした。

貴重な体験というと、コメンテーターとして参加なさっていた三上敏視さん(東京シャイネスのアコーディオンも担当)と共に公開リハーサルも披露してくださいました。公開リハーサルとは、リハーサルなので間違えても良い、譜面をみても良い、というライブで間違えがちな細野さんならではの発明のようで、昨年末の九段会館でも試みられていました。今回のリハーサル楽曲は前述の『Hong Kong Blues』と『Chattanooga Choo Choo』でした。『Hong Kong Blues』は『泰安洋行』バージョンよりもホーギー・カーマイケルの歌に寄せた具合でとてもかっこよかった。

音楽をつくることについての説明が細野さんらしくてとても良かったです。
例えば印象的な夢を見た時、覚えておきたい夢を見た時に、その夢についての手がかりとなるようなキーワードを探す事があると思います。しかし言葉にすると、自分が見たあの夢とはどうも違ってきてしまう。全体像をキーワードの集合で捉えるのではなく、ホログラフィーのように覚えておくのが夢を記憶に残すという事、思い出すという行為であるとおっしゃられていました。そしてその行為と音楽をつくる行為がとても似ていると言うのです。自分の中に眠っている夢のような何かを、メロディーではなく響きにしていくというのが細野さんの音楽観という事でした。
またレコーディングという事についても興味深い意見を述べられていて、子供の頃にグレン・ミラー・オーケストラを生で観に行った時にレンジが広すぎてつまらなかった、自分が夢中で聴いていたレコードと違ったのでつまらなく感じたそうなのです。やはり、その時代の空気感というものが確実にあって、その音をカタマリとして記録する、周波数帯域で切り取りひとつの世界をつくりだす事で、音楽のマジックを呼んでいるのだと。
…僕は音楽的なボキャブラリーの少なさを抽象化やイメージ化によって補ったり、そういった聴き方をよくしてしまいます。そんな僕にとってはこの“音楽のマジック”の話はとても頷けるものでした。そして確かに、周りで特に古いレコード(SP盤)好きの人はよくこんな話をしているのです。▼

投稿者 Takuya Endo : 11:11 PM | コメント (0)

March 16, 2006

小沢健二 "毎日の環境学"

毎日の環境学

*「待望していた小沢健二の新譜『毎日の環境学』がでました。勿論発売日に渋谷HMVで購入しましたが、昔のように生写真やポスターは付きません。(今日買ったストーンズ紙ジャケには何故かポスターがついていたというのに…)

今回は全編インスト。内容を大まかに言うと昨今の黒いエッセンスがちりばめられたフュージョンという印象です。前作『Eclectic』の楽曲もとりあげているので、延長線上という捉え方ができます。生演奏エディット感のせいかYesterdays New Quintetのアルバム『Angles Without Edges』を思い出してしまいました。
ユーザーレビュー等をみていると"エレクトロニカ"なんてキーワードも登場していますが、それで敬遠してしまう人は気になさらぬよう。どちらかというとペンギンカフェオーケストラ辺りを想起させる無邪気な音色やメロディーが耳に残るという具合ですので。
それで演奏者のクレジットを見ると英語の名前の方しかいないのですが、ジャズ畑の方々らしく演奏が上手い。録音がむちゃくちゃいい。小沢健二は作曲・プロデュース、ギターとドラムプログラミングを担当している様子。曲名といい、最早"コンポーザー"なんて肩書きがしっくりくるような手合いです。

欲を言えば彼の言葉がのっかった作品が聴きたかったなあ。

それにしてもドナルド・フェイゲンの13年振りの新作と時期をあわせたかったのだろうか。。。
春にして健二を想う。▼

投稿者 Takuya Endo : 01:37 AM | コメント (0)

January 28, 2006

ふたつのカバー(雷道と王道)

*「近頃は新譜を買ってもすぐに飽きてしまうことが多く、なんとなく紙ジャケリイシューにばかり手が伸びてしまいます。先週末はHMVがトリプルポイントデーだったので、久しぶりにはりきって買い物をしました。そして、いつもの紙ジャケ達に加えて珍しく新譜を二枚購入したのですが、気付けば二枚ともカバーアルバム。リリースが近かったというだけであまり繋がりはないような気もしますが、無理矢理“日米カバー対決”などと銘打ってご紹介したいと思います。

Tortoise & Bonnie.jpg

まず先攻はTortoise and Bonnie "Prince" Billyの『The Brave and The Bold』です。トータスをバックにウィル・オールダムが歌うというなんともお徳感溢れる企画。取り上げている楽曲は新旧ジャンル問わずといった具合で、ミルトン・ナシメントやエルトン・ジョンから、2000年以降の楽曲まで多彩に並べられています。
僕はトータスとボニー“プリンス”ビリーのどちらのライブにも足を運んだ事がありますが、明らかに演奏・楽曲の魅力のベクトルが違うので、その差異を人様の楽曲を演奏する事でどう吸収しているかが気になっていました。1曲目のミルトン・ナシメントの楽曲はそもそも歌も楽器の一部のような位置付けであり、両者のど真ん中のバランスをまず聴かせてきます。トータスのめくるめく音の万華鏡にウィル・オールダムの歌声が絡まるという、本作を象徴するレインボーな幕開けです。ミルトン・ナシメントのブラジル感はどこへやら、なんともファンタジックな色合いのジャケットとも重なります。続くブルース・スプリングスティーン兄貴の名曲「サンダーロード」はミルトンの楽曲よりも明らかに歌比重が高いですが、これは歌に寄った演奏。とはいえ、やはりどこかひっかかるイントロ・アウトロの音響的なアプローチがアクセントになっています。M4(エルトン・ジョン)、M5(ラングフィッシュ)は正にトータスの本領と言えそうな加工が施された音像にウィルオールダムの歌声が閉じ込められているような不思議な肌触りです。そしてM6(ダン・ウィリアムス)のアコースティックなアレンジで一呼吸置いた後に、突然登場するDEVOのカヴァーが凄まじいです。まるで10年未来のバンドが1980年のDEVOの楽曲をカバーしたような、表現しがたいトラック。この1曲を体験するだけでもこのアルバムを聴く価値があると思える程です。その次の米国フォークシンガー、メラニーのカバーでの演奏が実に精緻且つ洗練されているもので、映画のサントラ風。前曲とのギャップを狙った配置かもしれませんが、この振れ幅の広さには流石に驚かされてしまいました…。
そもそもボニー“プリンス”ビリーの歌声がもっていた謎の郷愁感のようなものが、トータスコーティングによりひんやりとした温度を得、ファンタジックな方向性で開花していて面白かったです。

キングスロード

後攻のオリジナル・ラブは端からコンセプトくっきりな選曲となっています。ローリング・ストーンズ、ドアーズ、ピンク・フロイドなど60'sロックの定番や、ロネッツ、ペトゥラ・クラーク「ダウンタウン」など正に60'sポップスの定番から選曲。きっと一人で選ぶのは絞りきれず大変だったのでしょう。
サウンドは前作「街男 街女」を踏襲したような感触ですが、そこはロックの名曲を演奏する喜びかラフっぽさもありたまらないです。歌もそれと同じ空気感でフレッシュなノリが良い方向に作用しています。当時のロックの、若々しい恋の喜びや哀しさを歌った歌をストレートに日本語訳していて、そんな歌詞も背中を後押ししているよう。
アルバム中2曲はスカパラが演奏していてスカ/レゲエのエッセンスを導入しています。これは好みが分かれる所もありますが、アレンジのバリエーションや先行シングルのインパクトとしては正解かと思います。男臭いコーラスも賑やかで楽しく、アルバム全体の風通しを良くしています。
ルビー・チューズデイの印象的なドラムスやビー・マイ・ベイビーのコーラスなどマナーとも言えるポイントはきちんとおさえつつ、たまにやんちゃなギターや突拍子もないチープな電子音などの遊びゴコロを織り交ぜたりと田島流解釈を爆発させています。
今作でのキーワードは、唯一日本人のカバーであるフォーク・クルセイダースの楽曲名に含まれている“青年”でしょうか。田島さんはおいくつなのかわからないけれど、こんなかわいいおじさん他に居ないと思いました。全10曲で30分程度というところも、とてもいい。

以上、並べてみたら全くアプローチの違う二作ですが、どちらも聴きどころたっぷりでオススメですよ。ただ、個人的な気分でいうとよく聴くで賞でOLに軍配でしょうか。ルビー・チューズデイとかカラオケで歌いたいなあ。▼

投稿者 Takuya Endo : 12:09 PM | コメント (2)

December 28, 2005

細野晴臣&東京シャイネス@九段会館

九段会館

*「今年はライブとの縁が薄かったような気がします。一月にあがた森魚さん×岸野雄一さん、二月のダン・ヒックスまでは調子がよく、月一くらいは行きたいななんて思っていたのに、三月に楽しみにしていたレッド・クレイオラ×サーファーズが納期直前の為にいけなくなってしまい、それから暫らくライブを観に行く機会がありませんでした。結局このblogにも書いたスチャダラ出演のHMVイベント、ゲイ・サーファーズ・オン・アシッド、Shiba in car …などなど指折り数える本数で十二月を迎える事となり寂しくおもっていました。しかし、年の最後に運良く細野晴臣&東京シャイネスのチケットが手に入り、ド寒い年末の夜空に良い宴を期待して会場の九段会館へと向かいました。

細野晴臣&東京シャイネスとは夏に狭山で行なわれたハイドパークフェスティバルに出演したバンドで、細野さんが久々にギターを持ってボーカルをとっているという話題のバンドです。楽曲も73年の『HOSONO HOUSE』からのチョイスが中心らしく、あの頃を懐古する年代の方から、あの頃に夢を膨らませる若者、コーネリアスの子供までお客の年齢層は広かったです。会場の九段会館は初めて行ったのですが、建物は古くてかなり良い感じ。正月飾りもしてあって年末の雰囲気漂う場所でした。どうも関係者札の方が多いような気がしたのですが…e+一般予約な僕は3階ぬ列、3階はかなりの急勾配でステージを見下ろすようなロケーションです。なんだか山の斜面にたまに突然設置されているお地蔵さん群みたい。

前座のKAMA AINAは青柳さん1人でかなり変な事をやっていました。遠目だったので抽象的な表現になりますが、HIPHOPメソッドでワールドミュージックを切り貼り再構築しているように見えました。世界各地の様々なビートをがしがしと差し替えしつつ、これまた世界のどこかのメロディーをまるで上モノトラックのように重ねていくというもの。全て人力、しかも一人。なんとなくDJ SHADOWのライブを想起しました。オタク受けしそうな怪演なり。眼前に広がる九段バレーの闇は深い。

そして開演から30分きっかりで細野晴臣&東京シャイネスが登場しました。1曲目「ろっかばいまいべいびい」のイントロが始まった途端に大歓声。続くのは「風をあつめて」~「暗闇坂むささび変化」~「僕は一寸」と、出し惜しみ無しで全開ですが、早々に「風をあつめて」の歌詞をとちっていました。はっぴいえんどでのレコーディングの時から歌ってないのだそうです(ホントか?)YMO「LOTUS LOVE」~「恋は桃色」の後は、演奏のニューオリンズ度が高まり「Pom Pom蒸気」、公開リハーサルと称してブルースの名曲のカヴァーへと突入。まあ難しい曲をシャイなみなさんとても上手に演奏なさる。特に浜口茂外也さんのドラムが素晴らしかったです。細野さんの唄も、練習し過ぎて声が出ないとおっしゃっていましたが段々調子があがってきたようで「チャタヌガチューチュー」はかなり凄かった!いつものおとぼけキャラクター炸裂のMCもよかったです。「夏なんです」あたりではよく聞いていた頃を想い出して胸が熱くなり、今の季節にぴったりの「終わりの季節」~本編ラストの「はらいそ」と夢のような演奏が繰り広げられました。やはり「はらいそ」は今でも唄ってもいいと思えるくらいに思いいれの強い曲なのだそうです。
アンコールでは歌詞をとちってしまった「風をあつめて」をもう一回やり、ゲストに環太平洋モンゴロイドユニットのメンバーを加えての坂本冬美「幸せハッピー」、そしてSKETCH SHOWの楽曲で締めくくりました。

あまりに惜しみなく演奏される名曲のオンパレードは圧巻で、懐かしい日々の想いでと共にとても気持ちよい年末のひとときを過ごせました。今夜はDVD撮影も行なっていたのでそのうちリリースされると思います。また、コンサートパンフによると、2006年に11年ぶりのボーカルソロアルバムを出すとの事。御年57歳、ますますご清栄で何よりです。▼

投稿者 Takuya Endo : 03:32 AM | コメント (0)

September 23, 2005

The Rolling Stones "A Bigger Bang"

bigger.jpg

*「前回のエントリーにも書いたようにリスナー歴たかだか10年の僕は、リアルタイムで“かっこいいストーンズのアルバム”の発表に立ち会った事がありません。おそらくオリジナル盤でいうと『ヴードゥー・ラウンジ』と『ブリッジズ・トゥ・バビロン』…なので、ずっとベスト盤止まりでした。それで数年前レコード店で働き始めてから漸くアルバム単位で遡ってみて、やっとその偉大さを想いました。愚かな事に。

しかし高校時代に読んだSF小説のせいであれほど憧れたブライアン・ウィルソンの『スマイル』だって、おじさんの声で今更録音されたってなんとなく夢が壊れてしまったような気がしていたし、況してストーンズなんて90年代以降の作品が実際問題あまり聴けないだけにもう…(略)そんな気分で新作の噂を耳にしても特に気に留めていませんでした。しかし、ラジオから流れてきたストーンズの先行曲になんとなくいい予感がして、その後もぽろぽろとオンエアされる新作からの楽曲を聴き、これは傑作だ!と確信。アルバムの発売(CCCDでないUS盤)を待ち望むまでその期待は高まりました。

“今の音”と所謂“ローリング・ストーンズ”がいい塩梅で折衷しているというか、悪い意味でなくスリリングというより安心感のある作品です。良い音で聴けるロック・サウンドは紛れも無く今ならではの楽しみの在り方だと思います。そして単純明快に気持ちの良いリフとサウンド、グッとくるメロディーと声、まるでロックンロールの醍醐味をただ愚直に吐き出しただけのような。それでいて、たまに今っぽいスパイスが効いたサウンドが登場するのは、ドン・ウォズの仕事でしょうか?当初はミックの口から“ダスト・ブラザーズ”なんて名前も登場していたようです。それはそれで聴いてみたいとは思いますが、またドン・ウォズだったのが吉と出たという気もしてなりません。彼の手腕でコントロールしてるのかはわかりませんが、セル・アウトの度合いがなんとも絶妙です。例えばM-4のドラムなんかはピザとコーラでMTVなキッズ達にもアピールできそうですし、M-5のようにもろに日本人が好みそうなバラードもあります。かと思えば続くM-6はブルーズだったり、M-9のキースヴォーカル曲もこの秋味わい深い1曲。全部で16曲もある長尺アルバムなのにわりと飽きずに聴ける、今の僕にはとても安心感のある一枚です。▼