March 01, 2010

It really, really, really could happen

*「たしか新宿のみで二日間しかかからなくって、その当日に上映されることを知って映画館に電話したらもう満席ですと言われたblurのドキュメンタリー映画『No Distance Left To Run』。
それからすぐにDVDが発売となり、しかも去年のハイドパークコンサートがまるっと収録された二枚目がつくというので早速購入しました。

ハイドパークのライブDVDがメインでオマケがドキュメンタリーって感じだよなあ、なんて気がして買っても二枚目のほうを先に黒ビールと共に散々盛り上がりました。
かっこつけマンのアレックスがタバコに火をつけて"Girls & Boys"のあのベースラインが始まるとことか、"Beetlebum"のグレアムのイントロは未だに心に突き刺さる威力を持つ。"Parklife"ではフィル・ダニエルズが登場して「Cheers London!」。そして日暮れのハイドパークにて"tender"の止まない合唱には落涙も禁じ得ないほど!やっぱblurは青春なり。

そして1週間くらい経って時間があったので、くらいのノリでようやくドキュメンタリー(一応メイン)のほうを観たのですが、やはりこっちも往年のファンとしては胸にせまるものがありました。

アートスクールあがりのルックスもそれなりにかわいい若いバンドがアイドルのようにデビューさせられて、それなりに人気が出たもののお金を持ち逃げされたりしてツアーが失敗、戻ってみれば見向きもされていない。これはよくありそうな話。
しかし、アメリカのグランジブームに反感を抱いて「英国」である事にアイデンティティを見出し、それでモッズの兄さん達が味方について盛り返す。これもまあありそうな話。モノクロの映像でデーモンがバスにつかまってロンドンを走るという"For Tomorrow"のビデオが印象的です。

そしたら同時期に他の人気者(ガキ大将)が出てきて、ひとつのムーブメントを成すまでに至るも、メディアに対する嫌悪感や疲弊、理想との乖離から自分たちが嫌いになってしまう。と、ここまでが『The Great Escape』まで。
ここで本当に大脱走になっちゃって終わり、ってのもよくある話。実際にガキ大将とのシングル同時発売事件の時は、正に試合に勝って勝負に負けたような具合で、グレアムは窓から飛び降りようとしたりしてぐちゃぐちゃだったらしい。「これはビジネスだけでなく生身の人間が関わってるという事が伝わると思った。」って、グレアム~(泣

ここで終わって何年後かにビジネスで再結成みたいな流れにならなかったのがblurのタフなとこであり、そしてまた90年代という時代も要因としてはあったのではないかと思います。飛び降りようとするまでに真剣でピュアなグレアムはアメリカに渡って、彼らが反旗を翻したグランジの次の流れであるオルタナティブの要素を持ち込んで再起にかけたわけです。
「音楽で驚かせたかった。」と本気で思って出来たのが"Song2"であり、"Beetlebum"。確かに驚きました。
そのアルバムの発表記者会見では「僕はジャズのレコードを作りたかったが、まだうまくできないんだ。」と言って記者達の笑いをとるグレアム。でもきっとこれは冗談なんかじゃないんだ。グレアム~(泣

と、ここまで割りとグレアムひいき目線で書いてきたのですが、結局このドキュメンタリーを通じて分かるのは火種は大概グレアムってこと(笑)彼自身によって自己分析もされてますが、アル中だったし辛い時に感情をすぐに出してしまう…。その点デーモンはちゃんとやるべき事のためにコントロールができるらしい。アレックスは享楽的でおちゃらけているし、デイブは離婚問題とか転職を考えたりと結構リアル方面。
つまりblurの中で一番ナイーブでおセンチでロック的で、僕たちが共感を寄せてしまいがちなのがグレアムなのだ!
「カムデンのパブで塗装工たちと話してる方が楽しいよ。」なんて本当に身近。亀戸や立石にホルモンで一杯飲りに行くような感じじゃないか。

そんなグレアムがもう一度やろうって決めて立ったグラストンベリーのステージでの"tender"!!こちらでも止まない合唱。それどころか、ライブが終わって散り散りになった客たちがまだそこかしこで歌っているシーンが写ります。グレアムとデーモンが共作した詞。みんなが歌い続けている「Oh my baby」の部分はグレアムが朝突然思いついたのだと言う。まさかみんながあんなに歌うような歌になるとは思ってなかった。って、グレアム~(泣
良かったな!!

それでも微妙な関係であった二人が完全和解をしてハイド・パークコンサートに繋がるエピソードが美しい。カフェで会って、ケーキを頼んだデーモンはそれを二つに割ってグレアムにあげた。そしてコーヒーをこぼして、悪態をついた。
そもそもエセックスの学校での2人の出会いは、革靴に黒いトレンチ・コートで自信満々のデーモンが、グレアムの靴を偽物だとけなした事が始まりという。そしてグレアムはそれを今でも根にもっていると語るデーモンの笑顔。素敵じゃないか。▼

追伸:今年のフジは仲良しのMassive Attackも来る事だし、blur来ないかなあ。昨年は豪雨の中ガキ大将の"Live Forever"を合唱したので、今年は満天の星の空の下で"Universal"を歌いたいです。テントに戻る道すがら、"tender"を歌いたいです。

Posted by Takuya Endo at March 1, 2010 02:50 AM
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