October 04, 2009

誰そ彼終了!、遠野奇談、写真と民俗学

*「昨日は誰そ彼 Vol.15でした。御来場くださったお客様、御出演してくださった皆様、スタッフの皆さん、どうも有難うございました。

詳しい内容は後ほど誰そ彼サイトのほうに "たそがレビュー" 書きますが、簡単にレポートを。

たそがれFM受信中

今回は渋温泉の音泉温楽で導入予定の新要素、『たそがれFM』の試験放送を行なってみました。堂内の音(ライブやDJ)をFMでとばして、FMラジオで受信できるようにするという試み。お寺で借りたG-SHOCKっぽい時計付きのイカしたラジカセをテラスに置いて、それで堂内の演奏を流しました。ただやはり、あまり出力をあげると違法になってしまったり、東京タワーが程近いというのもありなかなかクリアーには受信できず。範囲も限られておりました。渋には東京タワーないからもう少しいけるはず。

そんな事で準備段階から盛り上がっていたわけですが、本編で今回は久々にしっかり選曲をやりました。この頃、色々どたばたしちゃうのでライブ間の選曲が疎かになっていたのはイカンと、ちゃんと選曲順序を考えてレコードをかけたのです。
僕の選曲リストは以下の通り。

細野晴臣 / プリオシン海岸
itoken trio / tract
antena / camino del sol
小沢健二 / back to back
Naturally Gushing / Yukemuri Ryojo
Yo La Tengo / I'm Your Puppet
New Order / Your Silent Face

[Closing BGM]
ONJQ / Eureka

ライブは三者三様に素晴らしかったです!
Do The Robotは、彼らのアーティスト写真のように向かい合って椅子に座した状態での、シューゲイザーサウンド。永遠に続くかと思える音の波の合間から顔を出してくるメロディーが切ない。実際の年齢は聞いてないのですが、恐らく僕らより若いのではないかというステキな夫妻でした。

Rocket or Chiritoriは僕としては待望の御出演だったのですが、これも凄く良かったです。御本人もロケチリ史上最高のデキとおっしゃっていたので、嬉しい限りです。毎回、編成を少しずつ変えて演奏されているようですが、やはり中心にあるのは柴原さんの歌。そしてサポートするお二方も良い味を出していて、3人が楽しんで演奏されている感じが伝わってくるライブでした。
ルシャス・ジャクソンのメンバーの別バンドのカバー(?)に始まり、"Beyond the map"や"Tell me"など、本当にいい曲ばかりで大満足。同じ世代を生きてきた人の音楽だなあと、つくづく感じます。また是非御出演して頂きたいです。

The Rational Academyも凄かった!普段はバンド形態でSonic Youthのような轟音ライブを繰り広げているという彼らですが、今回はお寺なので、夫婦二人+Macという編成で静かな演奏をして下さいました。
二人の歌が凄くいい。そしてギターの音の深みというか、奥深さが果てしないです。いつもは恐らく激しさの中に美しさを見せるような演奏をされているのでしょうが、今回の編成では美しさ丸出しなので、聴いているうちにこれはこれでとてもスペシャルなライブだなあと、贅沢さを思いました。本当にありがとうございます。

ブリかま鍋

打ち上げはいつものように盛り上がりました。たそがれ料理長の料理僧KAKUさんが予算オーバー覚悟で購入してきてくださった、金目鯛やぶりかまをでっかい鍋で煮込んでいただく。これが本当においしい!!
毎回思うのは誰そ彼の打ち上げで食べるご飯(白飯)がうまい。でっかい釜で一気に炊いたお米は本当にうまいんだなあ。普段の三合炊きの電気釜とは全然違う。出演者の方々にもおいしく食べて頂けたようで良かったです。

英語の苦手な僕がこの所ハマっているのが、打ち上げでの外国人アーティストとの国際交流です。酒の勢いだけのデタラメ英語ですが果敢にトライしてみると、意外に通じるものですね。5月に来たスイス人のAndrea Valviniとの親交に味を占めて、今回も恒例の「What the meaning of "TASOGARE"」というテーマからRational Academy夫妻に切り込んでいきました。オーストラリア編スタート。

新ネタの「Do you know japanese "YOKAI"?」にも結構興味を持ってくれて、Japanese Monster or Fairy or Ghost or God...と説明したら、奥さんが「"YOKAI" is good Fairy? or bad Fairy?」なんて聞くもので、「Both」と答えました。
彼女はキティ好きらしくストラップを見せてきて、キティもある意味妖怪だねーみたいなテキトーな話もしてしまったのですが、「Kitty is good Fairy!」と言って盛り上がってくれたので、そこですかさず「Yes, we love "YOKAI"!!」と、半ば強引に妖怪好きの仲間に引き込みました。

TRA、DTRからの頂き物の数々

共通の言語となるのはやっぱり音楽ですね。レコードを見せるだけでかなり話が広がるという新テクを身につけました。Daydream Nationのライブ録音盤を自慢したり、最後にかかったEurekaは誰がやってるの?と聞かれたので、大友良英さんだと教えてあげたり。
そしたら、彼らのCDや7inchを色々とくれて、二人がまるで自分達の子供を紹介するかのように、「この曲とこの曲がオススメで、今日やったのはこれとこれ」とか、「こっちは33回転だけど、こっちは45回転だから気をつけてね」とか「これは僕がカバーを失くしてしまったから、ジャケなしです…」とか熱心に話してくれて、なんだかうれしくって思わず涙が出そうに。。。
この御好意に非常に感激したので、僕も手持ちのCDの中から、『大友良英 山本精一 ギターデュオ』をあげました。ボアダムスが大好きでボリスと共演できたのがスゲー嬉しかったみたいな事を言ってたので楽しんでもらえるかと。
「It's just only feedback guitar. So Cool!!」なんつって。

大友良英 山本精一 ギターデュオ

最後にはDo the robotのマットもやってきて、僕もレコード集めてるから見せてなんて具合に盛り上がりました。彼もDo the robotのステキなレコード(写真のカンガルーのやつ。ジャケは奥さんのサラによる手作りで全て違う。)をくれたので、僕もお返し7inchを渡したりと思わぬ交換会に。

ステキな国際交流ができました。また日本きたら誰そ彼やるからね~と約束したので、そうしたらまたRocket or Chiritoriさんもお呼びして、再度異国間同窓会がしたいです。

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明けて今日は、なんだか無性にカレーが食いたい気分になり、昼下がりに自転車でぶらり「まめ蔵」へ。なんかご飯の量が減ったかな?と思ったのですが、食い終わるとやはり結構な満足感。ルーが重たいからなあ、まめ蔵のカレーは…。らっきょうもおいしいから、与えられた分を食い切ってしまう。

遠野奇談

そして食後のコーヒーと共に、買って読んでなかった佐々木喜善の文章を集めた『遠野奇談』を読みました。佐々木喜善は、柳田國男の『遠野物語』の話者となった人物で遠野出身。元々作家を目指していたので、『遠野物語』発刊後も昔話収集を続け、いくつかの本を出しています。この功績を讃えて金田一京助は、彼のことを「日本のグリム」と呼んだとも言われています。病気で早く亡くなった為に、柳田民俗学の陰に隠れてしまったという印象の"不遇の人"のイメージですが、とても興味深い文章が多く残っているのです。

『遠野物語』は最早ファンタジーの国のお話のような距離感がある上にかなり文学性が高い文章だと思うのですが、佐々木喜善のほうが同じ遠野についての文章でももっとダイレクトでリアリティのある感じになりますね。そこが面白いです。
まだ読み途中ですが、既に僕の"志怪棚"に収めたくなるような、イイ話満載で、胸が何度も高鳴りました。佐々木喜善の事でいずれ何か書くと思います。

まめ蔵を出て吉祥寺をぶらぶらしていると、武蔵野市立吉祥寺美術館で『写真と民俗学 - 内藤正敏のめくるめく東北』なる写真展をやっていて、「うわ!遠野だ!!」となって思わず飛び込みました。
内藤正敏さんは25歳の時に出羽湯殿山 注連寺で即身仏を見て衝撃を受け、それ以来東北の民間信仰や修験道の研究の道に入ったという、写真家であり民俗学者なお方。
東北地方のお婆さんを白黒で写した「婆バクハツ!」は、岡本太郎の撮る東北の写真に似てるなーと思ったら、やはり影響を受けているようで内藤さんがプリントを担当した岡本太郎の東北写真集が出ていました。

元々は理系の人で、初期作品は化学薬品の反応の様子などを写した写真でSF小説の表紙になるような作風だったのに、即身仏との出会いから一気に民俗学の道へ進んだというのがすごい。
遠野も沢山撮ってます。正にさっきまで読んでた佐々木喜善の生家を写した作品や、その中でよく語られている早池峰山の神像などなど。
遠野を撮った写真家としては、森山大道もいます。(『遠野物語』というズバリなタイトルの作品集が出ている。)個人的な写真の好みとしては、やはり大道に軍配があがってしまいますが、遠野のお婆さん達を写したいくつかの写真や、霊柩車の写真など、いい写真が結構ありました。
僕も何年か前に遠野へ旅行した時の事を思い出し、胸を熱くする。また行きたいなあ、遠野。

遠野の昔ばなし

そして11月1日には同所 音楽室にて内藤正敏さんご本人の講演会「宮沢賢治と佐々木喜善 - 東北で生まれた新しい学問」があるとの由。何ヶ月か前に宮沢賢治マイブームもあったもんで、僕にとってはかなり魅力的な講演会。無料だし、早速予約しました。(遠野市と武蔵野市は友好都市らしいです。)▼

Posted by Takuya Endo at October 4, 2009 06:54 PM
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