May 03, 2008
アイム・ノット・ゼア
*「火曜日にアイム・ノット・ゼアを観ました。祝日だったので渋谷は混むかなーと思って立川の映画館へ。案の定、コナン君目当ての家族連れと映画館の列に並んだわけですが、すぐ後ろのマダムもといおばちゃんデュオは映画の上映開始時間で見るプログラムを決めているご様子…。つまり、今すぐ観られるやつの中で選んでしまおうという、ある意味優雅なおばちゃん脳。『寿司王子はさすがにねえ…、クロサギって映画のほうがまだ…』みたいな話をしているのですが、思わず『アイム・ノット・ゼアも12時半からですよ。一緒にどうですか?』と声をかけてみたくなりました。勿論そんな勇気はないのですが、ボブ・ディランに興味の無い人から見たらどういう映画なんだろうという想いが(結局おばちゃん達はクロサギへ)
広告を見ると"ボブ・ディランが6人!?"なんて謳っていて目をひく感じで、広告だからそれでいいのですが、実際は"6人"ということよりも"六面体ディラン"とか"ディランアパート六部屋あります"みたいなのがしっくりくるナアと思いました。ボブ・ディランのある時期、ある一面をキャラクター化した6人の主人公のお話しを、時間軸を無視して混在させることで多面的なディラン像をひとつに浮かび上がらせるという手法なのですが、それぞれのお話の"閉じたセット感"が気になりました。セットというのは、撮影用のセットのセットです。おそらく意図的にミニチュア/ジオラマっぽく感ぜられる絵にしてあり、見ている側としてはとあるテーマで確立された部屋をいったりきたりしているような感覚になります。遊園地のお化け屋敷で、生首の転がる長屋を歩いたと思ったら次の部屋はいきなり洋館でフランケン風の男に追いかけられたり、とりあえず墓場だったり、だけど外に出てみると『ああ、お化け屋敷だったなあ』なんて感想だけが残る、みたいな。
6つの部屋をごちゃごちゃと細い線で繋ぐわけではなく、ある程度ひとつのテーマで確立させておいて、必要なところにわかりやすい太い通路があけてあるという点に好感をもちました。(ベン・ウィショーの役どころや、ウディ・ガスリーのギターケースなど)
キャストについては、リチャード・ギアはどうなのよなんて意見もありますが、デフォルメという観点と6部屋の個性化という部分ではそんな飛び道具もありかと…。(リチャード・ギアが6人の中で最もファンタジー方面担当という点は居心地悪いですが)
それとやはりケイト・ブランシェットの作り込みは見所だと思います。イーディ役はひどい。そこだけいきなり自主制作映画風。そっちはそっちで別の映画がやるからいいのかな。にしてもヒドい。
音楽は、サントラも凄く楽しめた手なのでよかったと思います。ディランをディランじゃない人が演じていて、歌もディランじゃない人が歌っているというのは凄く自然で理に適っています。(勿論ディラン本人の歌唱も使われています)とはいえ、アーティストの色が濃く出ているカヴァー(Yo La TengoとかSufjan Stevensとか)や、本人が出演してしまっているシャルロット・ゲンズブールによる"Just Like A Woman"など劇中流れない曲も多数でした。個人的に気に入っていたスティーヴ・マルクマスの"Ballad of a Thin Man"が重要なシーンで長く使われていたのはよかった。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、その曲の口パクを担当するキャストが…(略)…なのも良いです。
ボブ・ディランという名前が登場しないというのは徹底していました。もし、件のおばちゃん達が見たらどういう感想を持っただろうか。気になります。▼
Posted by Takuya Endo at May 3, 2008 12:28 PM












