October 02, 2007

燕温泉と黒姫童話館

*「9月の連休は信州へでかけました。旅の目的は黒姫童話館と燕温泉です。
旅の日記。

- 牛にひかれて

黒姫は長野から信越本線で30~40分のところなので、初日まずは長野市内観光。長野へは仕事で数回お邪魔しているのですが、観光をするのは初めてで、遂にという感じで善光寺参りを果たしました。

善光寺

善光寺での注目はやはり牛。善の字にもう既に隠れている牛。ガイドブックに出ていた牛の像を撫でたくて探したのですが見つからず…善光寺ウラに雪印寄贈のリアルな牛オブジェを見たのみに終わり残念でした。しかし善の字を牛に模した鍋敷き等のグッズは良い感じ。
観光者らしくお戒壇巡りにもトライしてみました。普段なかなか経験することの無い真っ暗闇を、壁を頼りに列をなして進みます。前にぶつかったり、後ろからぶつかられたり。不安な気持ちになって何故か余計な口ばかり。

- 市内のそば屋

以前仕事の合間に連れてってもらったおそば屋さんが、どうしてももう一度食べたくて行ってみました。東東(とんとん)通りにあるやまきやさんというお店ですが、野趣溢れる太め・強コシのおそばでとてもおいしい。どかっと盛ってあるのが嬉しく、つゆは意外にあっさり味でどんどんいけます。濃いそば湯がまた格別で、割らずにそのまま飲んでもうまい!そばファンにはたまらんお店です。
冬期は串おでん(100円)もやっていて、カウンターの鍋から自分で持っていく方式がなんかいいのです。それも食べたかったなあ。

- 燕温泉 河原の湯

寝床は黒姫山のお隣、新潟県の妙高山にある燕温泉街から少し離れた一軒宿にとりました。荷物を置いたら早速歩いて燕温泉へ向かいます。イワツバメが群生するところからの名称だそうですが、燕みたっけな?
長野は晴れてとても暑かったのに、山道はひんやり。濃霧がでてきて幻想的、いや多少不安も誘う霧。道はあってるのかわからないけれど、取り敢えず一本道なので突き進み、ようやく現れた石碑には『秘境 燕温泉』とあります…辺りを見渡し秘境を再確認。
鄙びた温泉街を抜けて10分ほど山道を歩くと、目指す河原の湯があります。幅1メートルくらいで踏み外したらきっとお陀仏な感じの山道をゆきます。濃霧が更に不安感を煽る中、巨大な滝を横目に映画にでも出てきそうなつり橋を渡り川沿いをゆくと、裸のおっさんが横たわる岩が見えてきました。そこの岩場に突如、真っ白な湯がぽっかりとあらわれます。正に"隠し湯"という形容が相応しい、花の慶次で慶さんが秀吉とはいっていたような温泉です。

河原の湯

その光景を見たらとにかくはいるしかないという入浴衝動にかりたてられて、すぐさまどっぷん。はいるともう月並みな言葉しかでてきませんが、極楽とはこのことかと。一応男女分かれた更衣室があり、白濁が濃いので女性でもはいれます。というか性差は意識ないです。みんな裸でおんなじな感じ。寧ろお湯に浸かった今、服を着て湯を覗き込んだ時の自分のほうが不自然に思えるほどです。横を流れる川の音を耳に、深く霧のたちこめる幻想的な山々を仰ぎながら、温泉っていいもんだなあとつくづく感じました。
お湯は硫黄ですがさらさらとしていて湯花があまりなく、今まで入った事の無いような不思議なお湯でした。湯を出るとすぐに乾きますが、アトピー体質の僕でも痒くなったりせずとても良い塩梅でした。ぬるめなのでじっくり浸かれて、ぽかぽかとあたたかさが持続します。

- 黒姫高原~童話館

翌日は快晴で朝から黒姫高原に向かいました。午前中の高原というのは相当に清々しい。ヨーグルトがうまい。コスモス園に入り、リフトで1000Mくらいまで登ると眼下には野尻湖、その向こうにはまた山々が聳えています。コスモスも東京の公園で見るのよりもワイルドというか、自然な色でその控えめさがなんとも美しいのです。

黒姫山

コスモス園から少し歩くと、童話館があります。ミヒャエル・エンデの資料が豊富で、生前の彼も一度訪れています。日本人の奥さんと再婚するなど、親日家だったようです。童話館開館時に寄せたメッセージ(『サーカス物語』からの引用)がとてもよい。
”おまえは自分の知らないものにかんして存在を認めません。そしてファンタジーなど現実ではないと思うのです。でも未来の世界はファンタジーからしか育ちません。私たちはみずから創造するもののなかでこそ、自由な人間になるのです。”
続けて、”外部空間を征服すればするほど、私たちは内部空間をもっと強力に豊かにしなければなりません”という言葉を胸に入館するのです。時を経れば経るほどに説得力をもつであろう言葉。

企画展はちょうど松谷みよ子先生でした。松谷先生の師である、坪田譲治大先生は戦時中は野尻湖周辺に疎開されていたらしく、疎開先を思いきって訪ねたという若かりし日の松谷先生のエピソードが印象的でした。そのときに坪田先生に渡した作品を綴ったノートを、疎開から引き上げる際に坪田先生が紛失してしまったと言ったら、同じ作品が書かれたノートがすぐにもう一冊でてきたというお話し。手動バックアップだもんなあ、ノートは。
松谷先生が実際に民話採集の際に使われたノートなども展示してあり、なるほどと参考になりました。
僕もノートにいろいろ書きたいなあ、何か書く事ないかなあ、というキブンに。

結局、黒姫で一日中過ごしてしまった!牛も居るし、とてもよい場所でした。

- ブナ森に潜む

宿の温泉は河原の湯からくだってきてどんどん色が薄くなり無色でさらさらの硫黄臭のお湯でした。湯船に浸かっていると赤ら顔のおじさんに話しかけられ、世間話を少々。長岡からよく燕に来ているという方で、近くの関温泉で一軒宿を開業したいと思っているとの事。この宿によく現れるという狸の情報もGET。それで僕がてっきりただの窓だと思っていたところをおじさんが出て行ったので、ついていってみると一人用の露天風呂がありました。おじさんが場所を譲ってくれたので「これで狸がくれば最高ですねえ」と言って湯船にはいると、おじさんは「心を静かにして、それを森におもってはいってください」と残して去りました。
真っ黒なブナの森を眺めていると、おじさんの言うソレとは果たして狸のことなのか、もしかしたら違うかもしれないなと思い、お風呂からじっと暗い森を見ました。

- 千曲川を渡る

3日目は信越本線を豊野で降りて小布施へ向かおうと思い、まず駅前のタクシー連絡所にはいりました。タクシー連絡所といっても電話ボックス6台分くらいの小屋に黒電話がひとつ…なんとなくバイオハザードを思い出す風景です。そして表記はタクシーではなくタクシ。電話の横についた小さなハンドルをまわすとタクシー会社に繋がる仕組みなのですが、ハンドルはとれるし、おさえてまわしてやっと繋がったと思えば、もう全部のタクシーがでちゃってるから他あたってくださいと言われました。結局、教えてもらった別の会社に自分の携帯からかけました…駅前で観察したところによると豊野タクシの稼動車数は2台くらい。

豊野から小布施への道中で渡る川は千曲川です。日本各地によくあるでいだらぼっちのポピュラス・レジェンドによると、でーだら先生のふんどしをひきずった跡が千曲川になったそうな。

- 小布施のウォ-ホル

小布施は小江戸 川越の雰囲気に少し似た街でした。おば様フォークロア系のブティックに惹かれます。即売所のりんごをかじりながら早速高井鴻山記念館へ。

高井鴻山記念館

高井鴻山先生は金持ちで晩年の北斎のパトロンとなったり、立派な自宅をサロンとして要人・文化人を招いたり(逃走用の隠し通路もありました)、もちろん自分でも絵や書をやったり、今時いそうなタイプのはいから文化人です。奥まったところにさりげなく妖怪画があったり、琴が弾けるようになっていたりなかなか楽しめる施設でした。
売店コーナーで妖怪画のうちわやハガキを買いあさっていたら、おじさんに「キミは妖怪好きなの?」と聞かれました。「妖怪が大好きなので、東京から見に来ました!」と半ズボンスタイルで元気良く答えてみたら、おじさんも喜んでおまけをつけてくれました。

なんとゆうかその日は3連休の中日だったもので小布施は観光客で大賑わい!栗おこわが有名な竹風堂さんは行列をなしていたので、諦めて他のfor 観光客なおそば屋さんに入ろうかと思ったのですが、やはり昼飯の妥協はイカン!とお持ち帰り用の栗おこわとお茶を買って長野電鉄に飛び乗りました。この日は暑過ぎて外でお弁当をひらける気温でなかったので予定変更して車内クーラー目当て、北斎館を諦めてでも食い気に走る孤独のグルメ…。
しかし、竹風堂さんの栗おこわは本当においしかった!ごはんの風味と栗の甘さの調和が絶妙。まだちゃんと温かくて、添えられた甘露煮もうれしい。▼

小布施堂 看板

::過去の関連エントリー::
2006年3月 - のすたるじゃ
2005年8月 - 沼御前(ぬまごぜん)

Posted by Takuya Endo at October 2, 2007 01:56 AM
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