October 19, 2006
some things last a long time
*「先日、『悪魔とダニエル・ジョンストン』を観ました。ダニエル・ジョンストンというアーティストのドキュメンタリー映画です。(彼は素晴らしいメロディーの歌を作って歌ったりイラストも上手なのですが、気の病があり時に信じられない行動をとる事がありました。中には犯罪に近い行為も…)
両親、特にダニエルが反発を抱いていたお母さんを、おそらく意図的に、恐ろしくみせるように撮っていると感じました。恐ろしい、とみえたのは決定的な"ずれ"のこと。いくら長く一緒に暮らしたって、筋立てて話し合ったって埋める事のできないずれです。両親の世界とダニエルの世界が違いすぎて悲しくなってしまいます。しかしそれは仕方がない事です。多分両親にとっての神様と、ダニエルにとっての神様が違う。よくわからないけど、アメリカの家庭においてそれは致命的な事なのではないでしょうか。それでも、一緒の暮らしは続いていくし、それぞれの暮らしも続いていく、そんなダニエルの事を思うと、ここ数年新譜をそれなりにコンスタントにリリースするようになって、ワールドツアーも行えるようになるなんて奇跡に近いです。
そのツアーで来日した時のライブをみに行って、演奏は奔放だし、気分で終演にしてしまったようだったし、彼岸にいるひとなのかとおもったけれど、決してそうではなく、日本で暮らす僕の世界とも地続きであるという事がよくわかりました。それをわかった上で聴くダニエルの歌とわからずに聴くダニエルの歌はまた違ってきて、それがいいです。だから観てよかった。
ラストのスタッフロールでは大好きなキャスパーの格好をしたダニエルが楽しそうにおどけているモノクロの映像が流れるのですが、それがなんだかとても寂しい。バックで流れているダニエルの歌は"some things last a long time..."と繰り返しています。永遠に想い続ける事、どうしたってくっつかないもの、揺ぎ無い物質、暮らしていく事、映画の中に見えるやりきれなさが瞬間にどっと襲ってきて、ダニエルの歌声がとてもよく響いたのです。その時に、彼はすぐ隣にいるようなとても身近で心優しいアーティストなんだなあと思いました。
"Some things last a long time"は映画のサイトで流れています。▼
Posted by Takuya Endo at October 19, 2006 12:39 AM










