August 19, 2005

水琴窟(すいきんくつ)

*「夏休み日記 8月12日(金)

nippara.jpg

”水琴窟”、ご存知の方も多いかもしれませんが、江戸時代の庭師が排水のついでに音を鳴らして楽しむために開発したというものです。地中に埋められたかめに水滴が落ち、その反響音を響かせるという仕組み。これがひんやりとしていてとても美しい妖怪の音でして、数年前に那須の蕎麦屋で聴いてとても気に入ってしまいました。その蕎麦屋は地中で発生した音をマイクで拾って店内に流していましたが、どうしても生で聴いてみたいと思い調べてみたところ奥多摩の鍾乳洞にあるという事がわかりました。それで2年前くらいに一度聴きに行ったのですが、また聴きたくなって今年の夏も奥多摩まで赴きました。

JR中央線をいつもとは違う方向にしばらく乗り、青梅線に乗り換えると段々と良い景色が広がってきます。山間にかかる霧が幽玄な雰囲気を漂わせ、いよいよ妖怪の音に遭えるゾという気持ちも高まってきます。奥多摩駅から目的地の日原鍾乳洞へはバスが出ていますが、土日はそれより少し手前までしか行ってくれないのと、本数が全然無い事に注意です。どちらかというと自動車で行くべき場所なのかもしれません。しかし、少ない本数のバスを待つ時間もまた楽しい。ちょっと道を外れて下っていくと冷たい川が流れています。大して歩いてもいないのに疲れた足を浸して一休みです。そしてバスがまた凄い道(細くて落ちそう)をガンガン登っていくのもなかなかの見所です。

バスを降りるともう山としか言いようの無い場所に出ます。そこから5分くらい歩くと日原鍾乳洞ですが、チケット売り場を中心に軽く“マヨイガ”を思わせるような妙な雰囲気が漂っています。なんというか空気の色と温度が一変するのです。全体的に青みがかった色と、きりっと冷たい空気…真夏なのに鍾乳洞の中に雪女が居るかのように白く冷たい風が吹いてきています。半袖の人ばかりなのですが、皆洞窟への潜入を躊躇うほどです。勢いをつけて洞窟に飛び込んで暫くは冬の気分を味わいます。しかし、割りとアップダウンがある洞窟内は歩いているうちに体があったまってきます。

目指す水琴窟はマッピングするまでも無く、すぐに現れます。立ち止まり耳を澄ますと聴こえてくる妖怪の音。ランダムなはずなのに、何かの意志がはたらいているような錯覚も覚えるニクいやつです。立て看板には以下の名文が記されています。
“一石山御岩屋の深い底から 聞こえる、幽玄なひびき ここに、水琴窟があります。 囁くような 慕うような 恋するような 喜ぶような 悲しむような 偲ぶような 諭すようなひびき。 その人その人の耳に心に、いろいろな ひびきが、妙なる音になって聞こえてきます。 この幽玄な響を、日原鍾乳洞ご来遊の思い出として下さい”
水琴窟を家に持ち帰りたい!という衝動にかられつつも、後続の観光客がやってくるので束の間の逢瀬を楽しみました。(こんなモノも出ているようです…)
ただ、洞窟内なんだから天然モノだろうとか勝手に思い込んでいたら、平成8年8月に設置されたと明記されていてちょっとショックでした…。しかも結構最近やんけ。。。

sanzu.jpg

こういった観光地って、お約束的に地獄を連想させるネーミングがなされているのが常々フシギなのですが、日原鍾乳洞もその例に漏れず期待に応えています。三途の川やら賽の河原やら、血の池地獄やら、思わせぶりに石が積んであったり…そんなまったりムードも楽しめる素晴らしいスポットです。
しかし、そうやって甘く見ていると後半戦の“新洞”で痛い目を見ることに!この“新洞”、人によってはウィザードリーよりも難しく、戦慄迷宮よりも恐ろしい場所になります。どのように恐ろしいかはご想像にお任せしますが、僕なんかは割とひーひー言って脱出しましたヨ。

帰りのバスは夏休みということで臨時バスが出ていましたが、もしなかなか来なければおっちゃんに川魚を焼いてもらうも良し、夏休み小学生と交流するも良し、ド暑い夏に涼を求めるにはなかなか良いところです。東京からも日帰りで気軽に行けますし。オススメです。▼

Posted by Takuya Endo at August 19, 2005 12:14 AM | TrackBack
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